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共催ウェビナー実際どう?登壇したことない初心者が40回登壇を通して新規リード8,000件獲得できた話

おはようございます、株式会社ベーシックのみやま(@myan_sales)です。
わたしはferret OneというBtoBマーケ特化サービスのマーケティング部に所属しており、2023年下半期は主に共催ウェビナーや共催イベントの企画・運営・登壇を担当していました。

2023年10月には、2日間の共催オンラインカンファレンスを主催企業の担当として、企画・運営を行いました。そのときの振り返りnoteをきっかけにEvent hubの鈴木さんからお声かけいただき、今回のイベントマーケティングAdvent calendar 2023 に参加する次第となりました!

14回分でかなりイベントマーケに関するノウハウが出てきているので、テーマをどうしようかと悩んだのですが、ここはもうせっかくですので超ありのままに、取り組んできたことを12,000字程度にまとめ(?)ていきます!

2023年7月から取り組みがはじまったのでイベントマーケターと言えるにはまだまだ初心者です。そんなわたしが「共催ウェビナー」という別企業の担当者と一緒に作るイチ施策の専任として下半期を過ごした結果、コストをかけずに半年で40回開催し、新規リード数8,000件以上を獲得しました。

今回のnoteでお伝えしたい結論は、新規リード獲得に共催セミナーはおすすめであるということです。

おすすめできる理由としては、4点あります。

  • 新規リード獲得を効率よく、コストをかけずに行える

  • 認知拡大だけではなく、信頼醸成によるブランディングにもつながる

  • 共催ウェビナーを二次利用・三次利用することでコンテンツを簡単に増やせる

  • 登壇者同士のつながりがその先に活きてくる

これから共催ウェビナーに取り組みたい・強化したい方に向けて
・そもそも共催ウェビナーを強化した目的
・おすすめできる理由の詳細と乗り越えるポイント
・成功談と失敗談
・取り組みまくったことで到達した新たな壁
といったことをまとめてお伝えしていきます。


なぜ共催ウェビナーを強化したのか

新規リードの獲得スピードを飛躍させる術を求めていた

まず、共催ウェビナーを強化したそもそもの目的は「新規リード獲得」をより強化したかったからです。

前提、弊社ferret Oneではサービスサイトを起点に様々な施策を行なっています。サービスサイト自体の運用、お役立ち記事によるSEO、ホワイトペーパー、自社単独ウェビナー、各種広告、メールマガジンは行なっており、それだけでも月間1,000件ほどのリードを獲得していました。

弊社に限らずだと思うのですが、CPAを下げること自体難しく、コストをかけずしてなかなか飛躍的な向上はできません。そこで、リード獲得コストを引き上げることなく強化できる手段として出てきた案が「共催ウェビナーによる他社ハウスリストの取り入れ」でした。

1社単独でのウェビナーで新規リードを獲得する場合は、広告や媒体掲載などコストをかけて集客をする必要がありますが、共催ウェビナーは各登壇社のハウスリストで集客を行うため、基本的にコストはかかりません。

共催ウェビナーの座組イメージ

例えば、上の図のような3社共催の場合、1開催あたり1社50名集客=150名の申込となり、単純計算をすれば自社以外の集客100名分のリード獲得ができます。つまり、共催ウェビナーは他チャネルに比べて新規リードの獲得効率も良い施策なのです。

なので、当初は強化にあたって、新規リード獲得が伸びるのかを検証しつつ、社内に企画・運用・ナーチャリング設計のナレッジを蓄積していくことを下半期で固めようということになりました。

共催ウェビナー専任という振り切りっぷり

実際にわたし自身が下半期に持っていたミッションは「共催ウェビナー経由での新規リード数」でした。このミッション持っているのはわたしだけなので、要所要所でメンバーにサポートいただきつつ一人で大奮闘しました。

共催ウェビナーは以下ファネル図のように、あくまで「認知獲得」の要素が強いため、必ずリードナーチャリングもセットで行う必要があるのですが、弊社はマーケ組織がリードジェネレーションチームとリードナーチャリングチームに分かれており、リードナーチャリングを目的に自社単独ウェビナーなど行なっていたため、専任制を取ることができました。
なので、連携をしながらも、私自身は新規リード獲得に思いっきりアクセルが踏めました。

弊社で過去に行っていた共催・自社ウェビナーのファネルを用いた整理イメージ

専任であった分、開催数に応じて企画〜運営〜登壇が逼迫したこともありましたが、登壇者同士のつながり・ブランディングの2点で専任が活きたこともあります。

まずつながりで言うと、共催を一緒に行った企業さんから、次のお誘いをわたし宛にいただけるようになり、先方企画にご一緒する形で自然と登壇数が増えました。
共催に関する相談をいただけることもありましたし、逆にわたしが悩んだ時に相談することもあり、同業界の輪が広がりました。そういった個々の関係性から、会社同士のパートナーアライアンスに繋がったこともありました。

また、ブランディングの観点で行くと、共催・自社単独合わせて毎月20~30開催のウェビナーを行なっていたため、展示会会場で「いつもウェビナーを見ていて、気になっていたので来ました。本当に実在したんですね!」と来場と商談に繋がることもあれば、SNSでの発信を通して、個別にご相談いただき最終的にご発注いただける方もいらっしゃいました。

実際に商談に至る方のコンテンツ接触歴を見ると大体参加いただいていて「ウェビナーを見ていていつも参考にしています。一度詳細を伺いたいと思っています」とウェビナーによる認知拡大と信頼醸成への副次的な効果を実感しています。

その結果、グラフの通り、助走の6月から既存チャネル経由合計の100~200%の勢いで新規リード獲得をすることができています。また、7件の受注創出にも寄与しました。

チャネル別 新規リード数内訳(2023.1~2023.11)

なので、当初の目的であった新規リードの獲得強化は果たされ、「注力すれば新規リード獲得は飛躍的に伸びる」と結論づきました。

苦戦して成功したポイント、失敗からの学び

最初に記載した通り、わたし自身これまでウェビナー自体登壇したことがありませんでした。しかもどちらかというと登壇は苦手なジャンルでして。

定量目標は7月から毎月1,000件の新規リード獲得が目標で、正直最初は頭を悩ませてきつかったんですが「前しか向かねぇ!」という特性があるので(?)なんとか達成に漕ぎ着けました。ただ前だけ向けば達成できるというわけではないので、苦戦した点をピックアップして以下に詳細を続けていきます。

繋がりがない中から共催先を探す方法

まず、やってみなければ何もわかりません。企画がなければ登壇もありません。

なのでまずは「共催ウェビナー担当になりました!強化してます!ご一緒させてください!」とSNS(X、Facebook、Linkedin)で繋がっている各方面のみなさんにアピールをしまくりました。そして事前に教えていただいていた、無料で共催先を探せる共催マッチングプラットフォームのFanGrowthに急いで登録して申請を進めました。

「それで反応もらえるのは極々少数でしょ…」と思われるかもしれませんが、実際にFanGrowthでは、13社に連絡をして10社とマッチングができました。そこから打ち合わせでターゲットなどを擦り合わせて、結果的に8社とご一緒しています。

なお、FanGrowthなどの共催マッチングプラットフォームに登録しているユーザーは、「共催ウェビナーを行いたい企業の担当者」が前提にあるので、フォーム営業に比べてかなりハードルが低くて便利な世の中になっています。運営されているエキサイトさん、コミュニティを作ってくださって本当にありがとうございます。初めての方や共催先を探している方は無料で出来るのでぜひ登録してみてください。

なお、当たり前のことかもしれませんが、双方にメリットが生まれそうな形で案を出してご連絡することは必ず行った方がよいです。プロフィール上にどういうテーマを希望しているかなど記載しているユーザーが多いので、その会社が普段どういうテーマで登壇されてるかを事前に把握して、ご提案しましょう。

実際にFanGrowthでお誘いした時の文面

マッチングにおいて重要視されることは、
①ターゲットの合致度合い
②ハウスリスト数と普段のウェビナー集客数のバランス

の2点であると多くの企業と接点を持ったことで学びました。

実際に失敗を重ねた今ならわかるのですが、ターゲットが違うとマッチングしたとしても、企画においてテーマがバラけるのでいい企画にならず集客がそもそも伸びないです。

弊社で言えば、BtoBマーケに特化したプロダクトなのでハウスリストには「BtoB事業者」「マーケ」「マーケに関わる営業」などが圧倒的に多いです。たとえば、「BtoC事業者」「人事」をメインターゲットにしている企業などと共催をした場合に、弊社からはtoC事業者を集客できないですし、人事も集客できません、ということです。

仮に「リード獲得」をテーマにやった場合、人事の方からしたら興味がない方のことが多いかもしれませんし、「採用マーケ」をテーマにやったとしても、弊社ターゲットではないので弊社視点でいくとその後に続いていきません。

また、ハウスリスト:何万件/数百件、集客数:毎回50名/毎回10名、のようなバランスになると、数が多い方の企業にとってメリットが薄れるので断られてしまいマッチングできないケースが多いです。
その場合は、企画からLPなどの作業を請け負う、2社ではなく複数社での共催にして1開催あたりの総集客を増やす、アーカイブ配信による複数日程開催での担保、イベントレポート化前提での開催後送客での担保などを検討すると良いかと思います。

視聴者と登壇者にとって良い企画と進行

マッチングをした後は実際の企画に移るのですが、いただく企画も会社さんによって様々です。当初不慣れながら進めていく際に、各社企画から学ばせていただいていた中で取り組みやすい企画のポイントは「明確なターゲットの属性から状態」「明確なゴール」「全体ストーリー」です。

例えば、

ターゲットの属性から状態:
BtoB企業のマーケ担当で、一人でやっているため工数が限られている人
(ペルソナ:営業からマーケに転身して試行錯誤取り組んでいる30代担当)

ゴール:
ターゲットイメージに対して、「明日からすぐ取り組めること」を各施策毎に持って帰ってもらう

全体ストーリー:
ベーシックの場合はWebサイトのtips・xx社の場合はSEOのtips

といったような形です。
前提にあるのは顧客にとって価値のある内容で、満足度の高いウェビナーにこだわることが結果的に他社からお誘いいただけることにつながります。

また、上記が押さえられていれば、企画自体もスムーズに進んで、例えば合うタイトルが作れます。「リソースが限られた担当者必見!明日から使えるサイト運用とSEOのコツ」みたいな。

一番残念なのは、視聴者の期待に応えられないことで、「こういうことが聞けると思ったのに…」がないようにすることだと思います。また、登壇する共催先の方にとっても「こことやるとマイナスになりそう」と思われてしまったら次回のお誘いもなくなってしまいます。
きちんと企画を固めておくことで、登壇者からの質問が減るので双方工数がかかりませんし、スライドも上記ゴールに向けて作っていくため登壇者側は楽です。また、双方の立ち位置が明確になるので重複した内容が発生しませんし、お互いに前後の話を汲んで話すことができるので、ストーリーの流れが綺麗になり、各セッションの粒度も揃えられるので視聴者側も「参加すると何が聞けるのか」が明確になり、期待に沿えるので満足度も高くなりやすいです。

自社コンテンツへの導線は必ずセットで

何事も取り組んで終わり、にさせないことが重要です。実施までもが大変なので一息つきたくなるんですけどね…。

冒頭でお伝えしたように、共催ウェビナーは自社にとって潜在層の方がメインとなります。つまり、共催ウェビナーでいきなり商談しよう受注しようを目的においても、初めましての顧客からしたら「やめてくれ…」となりやすいです。あくまで接点を作る手段であることを忘れないでおきたいですね。

そのため、あらかじめ「このテーマに興味のある人は、ウェビナーを見た後にxxにも興味が出るんではないか」と仮説を立てて、共催ウェビナーの終わりに関連ウェビナーの告知をしたりサンクスメールに取り入れたりしていました。ここでもたくさん失敗をしてきたので、その中で得たノウハウをお伝えしたいと思います。

共催ウェビナーの終わり告知でいうと、一緒に登壇したみなさんは色んな工夫をされていることに気づきました。それに比べて、わたしは最初は「たくさんウェビナーやってるので来てくださいね!」というメッセージだけ。これでは誰もきませんでした。

そこで、「QRコードを用意して次のおすすめウェビナー申込ページを読み込んでもらう」「無料トライアル申込フォームをチャット欄に貼り付ける」「次のおすすめウェビナーを案内して、開催後アンケートフォームにウェビナー希望の欄を置くことで、回答するだけで申込受領できるようにする」といった工夫を各社されているのを見て、今は取り組んでいます。そうした取り組みで、実際に1開催あたり5%くらいの方が時間をあけず、次にお申込みいただけるようになりました。

サンクスメールについても言及すると、自社主催カンファレンスでは開催後に3回メールを送っています。詳しくはカンファレンスのnoteをご覧いただければと思いますが、特典を申込者とアンケート回答者でわけたかったのでので3回になった形です。

1回目(終了直後):申込参加の御礼メール(アンケートURL送付)
2回目(1週間後):申込者特典送付メール(アーカイブ動画)
3回目(1週間後):アンケート回答者特典送付メール(サマリー資料)

ferret Oneの通常のメルマガ開封率20~30%なのに対し、御礼メールは上記40~50%。開封率が高いことは一目瞭然です。前提、ウェビナーに満足いただいて興味に合致するウェビナーを提示できれば高確率でお申し込みをいただけます。

このサンクスメールで最初は、申込者の半数が役職者だったため「初心者向けウェビナーをやった後は目標設計が気になるんでは?」という仮説でKPIセミナーへの導線を置いたのですが、CVはわずかばかり…。よくよく考えれば、目標を考えるのは実行する前やある程度実行し切って見直しを考える時が多いので、2回目はもう一段具体の取り組み方をテーマにしたセミナーに導線を変更しました。

ウェビナー参加後のフォローアップに関しては、ウェビナー担当とインサイドセールスと連携した電話アプローチはあるあるですよね。実際に私も共催ウェビナーを視聴した1週間後にインサイドセールスの方からお電話をいただいたことがあります。

ただ残念ながら、ウェビナーから時間が空きすぎていると正直覚えてないですし、ウェビナーではそのテーマについて知りたかっただけで、その会社のサービスを知りたいわけではないので顧客体験としては微妙な気持ちでした。

なので、こういった体験もベースにおいて、インサイドセールスに全件電話してもらうなどではなく電話する場合には、アンケート回答内容をもとに「解答が複雑になる質問を受けた」「相談したい」「詳細を聞きたい」といった方にのみ、なるべく早めに(当日・翌日)といった形で連携して行っています。ただここはあまり創意工夫を凝らせたわけではないので、こういうやり方が顧客として気持ち良いよ!自社はこういう取り組みでうまくいってるよ!などあればぜひ教えてほしいです。

オープンスタンスが実行のコツだった

共催ウェビナーは華々しく新規リード獲得ができるイメージを持ったかもしれませんが、実際にネックとして2点「登壇者など複数社の関係者との調整工数がかかる」「経験がないと数値が予測できない」が挙げられます。

ここは、2点とも「オープンスタンス」を意識したことで乗り越えていきました。意識したというより、元々の性格も影響しているかと思うのですが、1点目の「登壇者など複数社の関係者との調整工数がかかる」については、必要以上の遠慮が圧倒的に邪魔をしてきますわたしも実際に、初めてのマッチングの際に「ターゲット相違あるけどなんて伝えればいいかな…」や、企画をいただいた際に「この企画だと厚みが出ない気がするな…」と、もじもじすることもありました。こういった遠慮によって進捗が悪くなっていってしまうんですよね。

お互いに仕事で取り組んでいることなのでそこはフラットに見極めつつ「弊社のターゲットはxxなので、貴社ターゲットと相違が生まれて集客が難しそうです、すみません。そういえば先日、貴社ターゲットに近い企業さんとお話したのでよかったらお繋ぎしていいですか?」とせっかくいただいた時間を無駄にしないよう別の繋がりをうむようにしたり。「この企画にxxを足すと、xxに繋がるのでどうですか?それであれば貴社はxx・弊社はxxでお話ができて良いのではと思っています」と前に進む提案をしたり。

また、主催する際にはあらかじめ前段でお伝えした企画を固めることと合わせてご協力いただきたい事項の期日を事前に打ち合わせで確認するようにしています。登壇者も多忙のなか登壇いただくので、お互い問題なく進めていけるように事前に話しています。これは企画をいただいた時もそうで、基本は即レス対応をし、すぐに対応できない時は事前に「その週展示会に行っているので、翌週でも大丈夫でしょうか?」などお伝えをするようにしています。

2点目の「経験がないと数値が予測できない」については、習うより慣れろで行なっていく中で徐々に数値感はわかってきますが、そうはいっても…なところもあるかと思います。そこで登壇者同士でのつながりが活きてきます。最初の何回か行う中で「今弊社だとxxなんですが、実際にどうですか?」と伺ってその数値がどうなのかを判断できるようにもなります。

よくご一緒する登壇者さんは、総じて皆さんオープンスタンスな印象があります。いつも助けていただいていて、本当に感謝しています。

きちんと振り返る

振り返りについては、申込・参加・アンケート回答・新規リードの数から各パーセンテージを出すようにしています。歩留まりについては原因を考え、対策を打つようにしています。共催が終わった日に30分ほど時間をとって振り返っています。翌日にはまた違うウェビナーがあって忘れてしまう…

管理については、テーマカテゴリ・タイトル・LP URLから、企画書や登壇資料、タスクをスプレッドシートに取りまとめ、定量(新規リード数など)はSalesforceのレポートで行なっています。

↑上:スプレッドシート ↓下:Salesforceレポート

テーマ毎の集客状況でどのテーマにみなさん興味があるのかを次の企画に活かしたり、どの企業と行うと新規リード率が高いのかを見て次のお誘いをするなど行なっていました。

また、共催ウェビナー参加以降、自社コンテンツ(自社単独ウェビナーやサービス資料など)に接触しているのかについても共催ウェビナー毎に数字で出してテーマや登壇社の相性も見ていました。

横軸が1つひとつの共催ウェビナー、縦軸が自社コンテンツ

ここまでに記載したターゲットの合う企業との共催、良い企画と進行、自社コンテンツへの導線などを振り返る度に気付き修正していった結果、冒頭にも記載した7件の受注創出にも寄与しました。
あくまで新規リード獲得は受注に至るまでのひとつのきっかけなので、事業貢献できていてよかったです。きちんと設計すれば受注も生まれる!

二次利用も事前に考えておく

共催は2社以上で行うため、広義のテーマ(例:DXなど)の場合、自社領域だけでは物足りない時に複数社で役割分担して話すことができたり、実例をテーマにした場合には自社の取り組みだけでなく複数社の取り組みを話し合うということができたりするため、自社だけではなかなか完結しないテーマを掘り下げられます。

さらにウェビナーという特性をフルに活かして、動画のアーカイブ利用だけにとどまらず、文字起こしをしてイベントレポート(記事やホワイトペーパー)にすることで、ゼロから企画せずともコンテンツをうめるようになります。

開催数を増やしても未達した話から学んだ

ここまで良い取り組みの話をしてきたので、未達月の大失敗についても…

7月8月は登壇慣れや自社主催の経験をしつつ、9月はターゲット属性の合う新たな共催先とのマッチングを強化したり、テーマを思考して月13回も登壇機会がありました。
主催は3回だけだったのですが、10月末には主催の2日間カンファレンスを企画していたので、週2~3の登壇と並行して企画を進めていました。

これだけやったにも関わらず目標を外した月でした。かかる工数に対して定量的な評価には繋がらなかった経験です。これには訳があって、一言でいえば「2社共催のやりすぎ」です。下の図で、獲得した新規リード数と規模感ごとの開催数を記載しているのですが、9月は2社共催の比率が高かったのです。

共催ウェビナーで獲得した新規リード数(縦軸)と、規模感毎の開催数

1開催あたり1社50名集客できたとしても100名、新規リードでいえば自社集客を除くため50名です。月間目標1,000件に対して、どれだけやっても埋まりません。今冷静に考えればわかるのですが、当時はめまぐるしく進む企画・運営・登壇が並行して進んでいくループに嵌って、考える時間も設けなかったわたし自身に責任があります。

実際この結果にはものすごく凹んで。そんな時は共催でご一緒した方に相談させていただきました。
その際に「新たな相性のいい共催先を見つけるのであれば、企画工数が増えたとしても10社ほどの複数社で大型イベントをやった方が結果的に効率はいいですよ。そこで良かった企業さんと別で2社共催やるようにしています」と教えていただけたこともあったり、ご一緒したことによってその際に浮かんだアイデアを以降の企画に繋げることができたり。
そういったウェビナー登壇者の輪ができていくのは、回数を短期的に重ねたことによる良かったことの一つです。

また、前述したような直接的なつながりにとどまらず、露出が増えたことによって大変ありがたいことに「共催ウェビナーを一緒にやりませんか?」とお声掛けをいただけるようになりました。中には1,000名~2,000名規模の大型企画へお声掛けいただけ、その企画でスケジュールが埋まるようになりました。

「新規リード獲得」という定量目標を見た時の動き方としては良くなかったですが、決して2社共催が悪いわけではなく、目的を何に置くかで変わるという話です。2社の場合はコンパクトにできるので、一つのことを深ぼって行くことに向いています。対談形式でテーマを深ぼっていくことや、導入いただいている企業さんに登壇いただいて事例をお話しいただくなど、直接的に商談化を目指すのであれば最適なやり方だと思います。

今こうして振り返りながら全力で反省しています。でもこれもやってわかったことなので、ナレッジとして社内notionに大きめな字で書いておきます。(前向き)

双方コミュニケーションを生み出す設計をした大型カンファレンス主催

ウェビナーは1対nでいいんだっけ

登壇をこなすうちに、色々と見えてきました。盛り上がるウェビナーもあれば、盛り上がらないウェビナーもある…。この「盛り上がる」というのは登壇者が勝手に盛り上がっているのではなく「視聴者からの質問が多い」「投票が機能している」など「登壇者と視聴者、双方向のコミュニケーションが成り立っていること」とわたしは定義をしています。

正直盛り上がっているウェビナーは多くないと思っています。これは自戒も含めていますが「画面越しに本当にお客さんは見て聞いていてくれているのだろうか…」と1対nの感覚に違和感を覚えたことがありました。

ホワイトペーパーのようにダウンロードして読んで完結するようなものではなく、YouTubeのように好きな時に好きなだけ見るようなものではなく、ウェビナーは視聴者と複数の登壇者がリアルタイムで繋がっているのだからこそ、もっと双方向にやりとりできるのではないか?と、この後の自社企画で試すことにしました。

双方向でやり取りが発生しやすいウェビナーの特徴

様々見る中で、わたし自身が質問したりコメントしたりするウェビナーやイベントの特徴を挙げてみました。

  • プレゼン形式ではなく、パネルディスカッション形式

  • クイズを置いて、投票やコメントで視聴者から答えてもらう

  • 投票機能を活用して、視聴者にとって聞きたいテーマに絞って話す

  • 質問にきちんとリアルタイムで回答する

  • SNSでの実況

いずれも、視聴者が能動的に参加できる雰囲気を作り出すことに共通しているかと思います。パネルディスカッションは登壇者同士が会話をして双方に質問を投げ合っているので、その流れで質問が思い浮かびやすいですし、クイズや投票はZoom Webinarならボタンを押すだけなので参加も簡単です。質問にきちんとその場で拾って返すのも、質問いただいた方の満足度にとどまらず後に続く方も質問が返ってくることに期待して投げかけやすいです。SNSはウェビナー中にとどまらず、開催前後のコミュニケーションにも気軽に使いやすいですね。

実際の企画では様々な形式をミックス

これまでの共催ウェビナー登壇で学んだことを最大限取り入れて、上記双方コミュニケーションを意識しつつ設計したのが、冒頭に振り返りnoteを置いた、10月末開催の2日間オンラインカンファレンスでした。

ウェビナーにはプレゼン形式やパネルディスカッション形式、ゲスト登壇形式など、色んな形式があります。それぞれのメリットデメリットは才流さんがまとめているのですが、「体系的に伝えたい」部分はプレゼン形式、少しリラックスしながら「会話を生みたい」部分はパネルディスカッション形式、など何を目的にするかに応じた形式で企画しました。

実際には各セッションで2~5問ほど質問をいただき、全24セッションあったので相当数のラリーが視聴者と登壇者で発生しました。リアルな質問があることでリアリティが生まれますし、話も深く掘っていけるので個人としても学びになる内容が多かったのを記憶しています。イベント満足度も3.5/4.0と高水準でできました。

SNS実況も初めて行ったのですが、視聴者ユーザーからのポストもいただけましたし、登壇者同士でも繋がれたので次回開催する場合にももれなくやろうと思っています!

視聴するハードルは下がっている今だからこそ、より「参加する」ことに重きを置いて今後も企画をしていきたいです。

ウェビナー戦国時代の挑戦は続く

社内でよく話しているのですが、今やウェビナー戦国時代だと思っています。新型コロナ発生以降、各社がウェビナーを強化し、2023年も多くの企業が自社単独・共催にかかわらずウェビナーを実施してきたと思います。
弊社はオフラインイベントの開催や展示会出展も行い、オフライン回帰をし始めていますが、やはり自宅から気軽に参加できるオンライン開催は健在で、2024年も続いていくでしょう。(オフラインはオフラインで企画難易度が上がっている印象です)

また、当初目的としていた新規リード獲得でいくと冒頭お伝えしたリストシェアの仕組みによって申込者リストの新規リード率は徐々に低下していっています。つまり、共催ウェビナーを進めれば進めるほど近しい会社とのハウスリストに差がなくなっていることになります。そうなった場合、直接競合・間接競合ふくめ弊社からもA社からもB社からも同じ人に対してコミュニケーションを図ることになります。

なので各社がさまざま行う中で埋もれていかないために、「いろんなコンテンツに触れているであろう視聴者にとって有益なのか」「そのために自社だからできること、相手とだからできることは何か」といった独自性への工夫を忘れず、引き続きわたしも挑戦をしていきます!

たまったまなのですが、本日10:00からこのnoteにまとめたような「イベントマーケに振り切った話」を共催ウェビナーでお話してきます!年内ラスト登壇です。興味がある方はぜひこの後ご視聴ください!

明日のアドベントカレンダーは…

16個目のイベントマーケアドベントはNewsPicksの中島さんです!わたし自身、NewsPicksのコンテンツはメディアはもちろんメールもイベントも拝見していてとても学びになっているので非常に楽しみです。

アドベントカレンダー

今年もあと16日、営業日でいえば10日を切りましたね。年末はいろんなところでアドベントカレンダーやレポートが出ていて、それはそれで師走ですね!

お世話になったみなさま、読んでいただいたみなさま、ありがとうございました!少し早いですがメリークリスマス!良いお年を!

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