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formrunの3周年を迎えるにあたって感じた「プロダクトを成長させるために必要なコト」

みなさんこんにちは。株式会社ベーシックの甲斐と申します。先日、私がプロダクトオーナーを務める「formrun(フォームラン)」というサービスが、正式版のリリースから3周年を迎えました。

同日のプレスリリースでは「SalesforceとのAPI連携を開始」との新規機能アップデートもありましたが、3周年を迎えるにあたり、あわせてformrunの軌跡をまとめたインフォグラフィックも公開しております。

インフォグラフィックの作成に尽力いただきました、デザイナーのスタミさん、弊社エンジニアの@kotahashihamaさん、弊社広報担当の奥田、そしてさまざまな手配、お祝いのコメントをお寄せいただきました皆さま、そして、なによりも普段からformrunをご利用いただいている皆さまに、この場を借りて感謝申し上げます。改めまして、ありがとうございました。

さて、本題となる今回のnoteですが、私自身があまりこれまでのformrunについて書く機会が少なかったこともあり、「プロダクトオーナーとして気づいたサービスグロースのために必要な取り組み」について触れてみたいと思ってます。

人によっては内容に手前味噌な部分も数多くあるかと思いますが、このnoteが自社サービスや事業を成長させるための“気づき”や“キッカケ”の一助になれば幸いです。(改めて調べたところ、以前同様の話をMediumで綴った時から、早いもので1年半が経とうとしていました…)。

【2018年7月に書いたブログ】

体制が何も整っていなかったPO1年目

現在のポジションに就くまでは、オリジナルグッズのオンデマンドサービスである「Canvath(キャンバス)」のディレクターを担当していました。こちらのサービスが2018年3月にGMOペパポ株式会社へ事業譲渡される運びとなり、それまでディレクターを務めていた私の立場も一変しました。

その際にベーシックから次のキャリアとして打診されたのが、formrunのプロダクトオーナー(以下:PO)でした。とはいえ、当時の状況としては、事業譲渡後にそのままジョインした創業者の堀辺さんがコーポレート部門を担当することになり、私がそのままバトンを引き継ぐ、プロダクトオーナーと言えども、実態としては「1人BizDev」という、出来る事は何でもやるマンという位置付けでした。

もともと、formrunはリリース後間もない時点から素晴らしいコンセプトかつフルスタックな創業メンバーによって作られたプロダクトであったため、「Webマーケティングを生業とするベーシックの強みとマッチするはず」という想定から事業を買収した経緯がありました。しかし、創業メンバーがパラレルキャリアの合間を縫って事業開発をしていたことから、Webマーケティングや事業数値管理を1日単位で計測できる仕組みがなく、これらの把握が曖昧な状態となっていました。

そのため、仮説検証を行うためにデイリーでアカウント登録、有料チーム数、解約数を計測/確認する仕組みもなければ、どのような認知経路から利用を始めるかにしても、

「なんとなくクチコミで使う人が多いよね」
「プレスリリースを細かに打ってきたサービスだから、メディア経由で認知した人が多いのでは?」

といった感じで、施策を打つための材料も足りなければ、日々の取り組みを定量的に振り返ることも難しい状況でした

また、カスタマーサポートでは普段からformrunでお問い合わせ対応を行なっているのですが、「カスタマーサクセス」を実現させるための要望収集も不十分な状況でした。適切に要望数を管理できていなければ、問い合わせも「1人が属人的に全案件に対応する」という属人的な状況で、とてもじゃないですが、チームとして、事業として本当にやっていけるのかと、就任当初は日々感じていました。

特に、2018年2月に「formrunのPOを任せたい」と方針を告げられた直後はとにかくカオスで、formrunの1人BizDev業務を引き継ぎながら、Canvathの事業譲渡手続きとして普段の商品管理/ディレクションフロー/CSレギュレーションらをマニュアル化する作業を並行して遂行していました。あまりにも時間に追い込まれていた当時、「いかに素早く仕組みを作って自分じゃない人にバトンを渡すか」を意識して仕事に取り組めたことは、とにかく大変ではありましたが、今にも通じている貴重な経験になりました。

優先順位に紐付く「現象」を「問題」に昇華させるプロセス

また、この2年間で最も重要だと感じたことは、「“全て”ではなく“必要なこと”をやる」という至極当たり前なことでした。

とはいえ、限られた人員、システム、予算、ノウハウの中で“必要なこと”を導き出すことは、一筋縄ではありませんでした。上の4つは、よく言われる「ヒト・モノ・カネ・情報」であり、これらをビジョンや目的から適切に配分し、仮説検証に取り組みことの難易度は自分の想像以上でした。

これまで、マーケティングや編集、商品管理やサービスディレクション、カスタマーサポートなどを生業としてきた自分にとって、デザインやエンジニアリングを進めるための仕様に落とし込む要素を揃えること、筋の良さそうな課題/問題設定に取り組むことは、はじめての経験ゆえに大変苦労しました。

よくビジネスサイドの人間は、お客様や目の前で向き合う人の要望を解決したいがために、「問題(イシュー)」ではなく「現象(フェノメノン)」を要件に落とし込もうとし、表面的な問題解決に取り組もうとしてしまいがちです

個別のご要望に対して、「◯◯というツールと連携したい」という内容があったとして、必ずしもツールとの外部連携機能を開発しなくとも、適切にデータを受け渡せる仕組みを構築できれば解決可能であったり、そもそも既存の機能で賄える状況であったりする場合が少なくありません。

実際にこれらの問題を解決するために取り組んだこととして、

・改善要望の数を定量化すること
・現象は必ず問題に昇華させること

を徹底して取り組みました。

結果として、「なんとなく重要そう」というざっくりな理由で開発を行わず、「先月今月ともに◯◯の要望は●●件ずつあり上位5位に入り続けている」「◯◯の要望はフォーム作成管理サービスのどこも導入していて、▲▲以外の解決策を見つけることは直近では難しい」といった具合に、個人の主観に意思決定が寄らず、可能な限り定量的な根拠を集め、マーケットのニーズや解決可能性を吟味した取り組みの優先度を上げるよう努め続けました。

「時間」と「費用」を効率化できれば、優先度が高い仕事に素早く取り組めるようになる

スモールチームやパフォーマンスや最大化させたい組織の場合、こうした「時間の使い方」次第で、提供サービスの生死に大きな影響を及ぼします。そして、先ほど述べた「ヒト・モノ・カネ・情報」を適切に配分する、もしくは活用を促進する上で、formrunは大きく貢献するサービスであると感じています

コスト削減効果

少しサービス説明の色が強くなってしまいましたが、スモールチームを立ち上げた当事者として、これらの効率化に取り組めるかどうかで、チームのアウトプットに大きな差がつき、サービスを適切に伸ばせるかどうかが決まってくることもわかりました

・ヒト:管理画面を誰でも扱えるので人を増やして業務を受け渡せる
・モノ:formrunというツールを活用することで余分なサーバ費やデータ管理のリスクを軽減できる
・カネ:フォーム作成の開発かかる費用、保守の費用を大幅に削減できる
・情報:あらかじめテンプレートがあるのでフォーム管理のノウハウがなくても最適化できる

ざっとformrun導入後のインパクトを経営資源ごとに並べてみましたが、現に各リソースに大きな影響を与えることが確認できており、まさに業務の効率化を推進可能なサービスであると自負しています。

実際にインフォグラフィックの推薦コメントでも、ディップの進藤さんや、ライスカレー製作所の川上さんcotreeの平山さんなど、執行役員や事業責任者の方々が残してくださったコメントは印象的でした。

こうした方々が、導入の意思決定をくだす、運用を推進している現状には感謝しかありません。こうしたコメントの数々は「業務効率を本気で考えている人たちのニーズを満たせた」という意味では、目に見える一つの結果として報われたカタチなのかなと、私自身は感じています。

チームパワーを最大化させるためにも「時間」と「コスト」に誠心誠意向き合うこと

ここまでスモールチームや成果を残す組織について触れてきましたが、formrunのここまでを振り返る上で、もちろんのことですが同じチームでサービスづくりに取り組んできたメンバーには、本当に頭が上がりません。

特に自分の場合は、エンジニアリングやデザインの専門的な知識が不足していたため、サービス全体の品質担保、取り入れるべき情報やグラフィックの整理、機能開発のために必要な技術の選択などの面で、本当に助けられてここまで来ました。

formrunのポテンシャルはまだまだこんなものではなく、フォーム管理を必要とする人々、フォームを回答する人々を紡ぐ最適なツールとして、まだまだブラッシュアップ可能なサービスであると強く確信しています。

今回のタイトルが「プロダクトを成長させるために必要なコト」というテーマだったのですが、formrunの成長というだけではなく、formrunのお客様が提供するサービスが成長するために、私たちの取り組みやツールが何かしらのカタチでお役立て出来るのであれば、それに越したことはありません

今後も引き続き、formrunが、チームで問題を解決するためのハブとなる未来を創っていければと思いますので、皆さまのお力になれるよう、日々の開発/改善に取り組んでまいります。

最後までお読みいただき、ありがとうございました🙏


【formrunのサービスサイトはこちら】

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Kai Masayuki|カイ マサユキ
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