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SaaSのパートナー開拓に困ったらみて欲しい話〜パートナーセールスを立ち上げたら10ヶ月で100社と契約できた方法〜

こんにちは、株式会社ベーシックのayaseです。私は現在ベーシックにおいて、『ferret One』のパートナーセールスとして働いています。

ferret Oneは2016年にローンチし、それから約6年が経過しました。ありがたいことに、直販に加えて、既存のクライアント様や外部の方経由でサービス導入のご相談をいただくケースも順調に増えています。

そしてその実績も踏まえ、2021年6月に、現在私が所属している部署である「パートナーサクセス推進室」(パートナーセールス。パートナー制度を活用した代理店販売推進部隊)を本格的に立ち上げることになりました。
立ち上げは室長の林と私の2人で行いましたが、パートナーサクセスの考え方(概念やメリット・デメリットなど)に関する情報は世の中にたくさん出回っているものの、成功事例や具体的な実践方法の情報が皆無な状態だったため、立ち上げにはかなり苦戦しました。

しかし、そんな中でも悪戦苦闘した結果、10ヶ月という期間で、約100社とのパートナー契約を締結することができました。(かつ、結果的にはその商談のほとんどを一人で行いました!)
まだまだ課題は山積みではありますが、当時私が情報が無くて困ったからこそ、これから同じように立ち上げる方の参考に少しでもなればと思い、今回noteを執筆することにしました。

「パートナーサクセス(セールス)の部隊をこれから立ち上げたいとは思っているものの、ノウハウが無くて困っている!」という方のヒントになるよう、できるだけ赤裸々にお伝えしたいと思っています。

※あくまでもこれから立ち上げる・新しく立ち上げた方向けのお話ですので、違う方はそっと閉じてください・・・。
※パートナーサクセスの立ち上げ背景の詳細については、室長の林のインタビュー記事が出ておりますので、ぜひご覧ください。

中編後編もぜひご覧ください。

「ferret One」とは?

まず改めてですが、私が扱っているferret Oneは、一言で言うと「Web経由の有効リードを創出させるマーケティングサービス」です。

「Webマーケティングの大衆化」というビジョンのもと、BtoB企業のマーケティング担当者の「知識」「環境」「人」の不足を解決するために、サイト運用が内製化できるCMS機能に加え、リード獲得に必要な戦略的ペルソナ設計、コンテンツマーケティング、メールマーケティングなど各種マーケティング施策に伴走し、Webマーケティングの戦略設計段階から支援を行うことで、誰でもWebマーケティング施策を講じて成果を出せるようになることを目指しています。

おかげさまで、累計で1,000社を超えるお客様にご導入いただいており、テクニカルサポートのサービス満足度は100%を継続(※)するなど、多くのBtoB企業のマーケティング活動の支援に貢献しています。
※ 当社カスタマーサクセス部門での顧客アンケートにて2021年4月〜7月の4か月連続達成

「パートナーサクセス(パートナーセールス)」とは?

その中で、ferret Oneのパートナーサクセス推進室は、パートナー制度(※)を用いてリードを獲得する役割を担っています。つまり、我々がターゲットとする“顧客”と繋がりのある人(=代理店)にferret Oneが提供できる価値を届け続ける、いわゆる代理店向けのマーケティング活動を行っております。

※パートナー制度…代理店制度。ferret Oneでは、3つのパートナープランをご用意しております。

ferret Oneでのパートナーサクセスでは、以下の図のようにパートナーを大きく「注力パートナー(PA)」「既存パートナー」「新規パートナー」と3分類に分け、もう1人のメンバーのかてぃとそれぞれ分担して開拓の活動をしています。

主な役割分担としては、私は注力パートナーと新規開拓担当をし、かてぃは既存パートナーへのナーチャリング担当となっています。

今回はこの分担に基づき、私がパートナーサクセスの立ち上げでやってきたことはもちろん、特に「パートナーの新規開拓・獲得方法」についてお伝えできればと思います。

パートナーサクセスの立ち上げ

冒頭で触れたように、ferret Oneでパートナーサクセスを立ち上げるのは初めてだったため、最初は右も左もわからない状態でした。いわゆる販売代理店などの「アライアンス」はモバイル業界や製造業では一般的に行われていますが、パートナー制度を活用した代理店販売の推進部隊である「パートナーサクセス(パートナーセールス)」を実施している企業はそこまで多くなく、当然ノウハウなどもあまり世の中に出ていませんでした。ましてやSaaSモデルで成功した事例はほぼなく頭を抱えていました。

そこで、代理店戦略コンサルティングを実施されているパートナーサクセス社のノウハウをまずはお借りする形で、立ち上げの準備を行うことから始めていきました。
そのノウハウを軸に、PDCAを回しながら徐々に独自にパートナー開拓の方法を見つけだし、下記ステップで進めることで、結果として10ヶ月で約100社とのパートナーさまと契約ができました。
そのプロセスを順を追って説明をしていきたいと思います。

パートナーサクセスにおける戦略を立てる

まずは何より目的設定です。ferret Oneのパートナーサクセスにおいて成し遂げたいGOALを明確化し、その上で下記のような流れにそって戦略を立てました。
図にもあるように、ferret OneのGOALとしては「新規よりも既存パートナーさまからの紹介が増え、件数が担保されている状態」と置きました。案件数確保のため常に新規開拓を続けるという状態ではなく、新規開拓後そのパートナーさまがしっかりと育成され、過去獲得したパートナーさまから紹介数が安定的に増えることを目指しています。

GOALを定めた後は立ち上げの準備として下記3つの観点で整理・分析を行い、ferret Oneのパートナーサクセスにおけるバリュー・プロポジションを明確化しました。

①自社・競合分析
②バリューチェーンの把握
③各業種毎のニーズの可視化

①自社・競合分析

ferret Oneがどんなパートナーさまと相性が良いのかを確認し、戦略を設計するために、まずは自社・競合の分析を行った上で改めて強みを整理しました。

他社との違いや強みなどを整理すると、おのずと想定される質問や必要な資料なども出てくるため、その後これらを元に、紹介資料やチラシ、QA集、ヒアリングシートなど、パートナーさまの武器としていただけるコンテンツを準備していきました。

②バリューチェーンの把握

ferret Oneはリードジェン(リード獲得)にポジショニングを置いたサービスです。数々の業種がある中で、「ferret Oneはどの業種に適しており、そして提案される機会が創出されるのか」を把握すべく、マーケティングにおける「バリューチェーン」の中において、ferret Oneの立ち位置と補完関係となる可能性が高い業種を見つけていきました。
例えば、広告代理店では自身でツールを持たないため、Webサイトのリニューアル案件の際にはferret Oneを活用いただける可能性が高い、などです。

このように、まずはバリューチェーン上で自社がどのポジショニングなのかを明確にすることで、攻めるべき業種が明らかになります。

この整理の結果、ferret Oneでは、リード創出を相談されることが多い「コンサルティング」と「広告代理店」、また「MAの前にリード獲得が必要で......。」「コンテンツの量産ができなくて......。」という相談を多く受ける「マーケティングオートメーション(MA)ベンダー」も相性が高いということが見えてきました。

③各業種毎のニーズの可視化

上記で相性の合う業種を洗い出した上で、そこに属するパートナーさまが持っていると想定される課題と、ferret Oneがそれをどう解決できるのかを整理しました。これらを可視化することによってパートナーさまやエンドクライアントさまへのメリットが明確になり、三方良しの提案をすることが可能になります。

各業界のパートナーさまとお話する際の想定連携を分かりやすく説明ができるのでオススメです。

パートナーを募集する

①パートナー募集用のLP作成

上記のようにして戦略とバリュー・プロポジションを固めたのち、実際にパートナーを募集するためのLPを作成しました。設定したターゲットに基づき、共感してもらえそうなキャッチコピーやメリットなどを想定しながら作り込んでいき、LPに落としこみました。

訴求内容に関しては、パートナーさまとやり取りしていく中で「こう変更した方が良いな」などのアイディアが出てくるので、PDCAを回しながら変更し続けることをオススメします。

②プレスリリースを出す

広報チームと連携して、パートナー制度ができたことを上記LPを含めてプレスリリースで告知し、その内容を自社のハウスリストや既存顧客に対してメールでご案内しました。

その上で、合わせてTwitterでの拡散を行いました。実はベーシックではTwitterでの取り組みに力を入れており、社全体の総フォロワー数は7万を超えています。そんなベーシックのインフルエンサー達にも協力してもらい、手持ちのリストに止まらず、社全体でパートナープログラムを打ち出していった結果、リリース直後から多くのお問い合わせをいただくことができました。

パートナーを増やす

一方で、上記取り組みによるお問合せだけでは目標とする開拓数の担保は難しいため、泥臭いことも含め、パートナーさまを増やす活動を行いました。相性の悪かった施策もあったものの、やり続けてきた結果、相性の良い開拓の施策が見えてきたため、開拓手法とメリット・デメリット、それぞれの施策の評価をご紹介します。(ノウハウ共有として、ferret Oneとしては筋が難しかった施策も含めてご紹介しています。)

アウトバウンドコール

自社のマーケリード(過去資料やWPをダウンロードした方)を整理して、代理店になりえそうな人たちをリスト化してコールしました。

結果的にはferret Oneの場合はパートナーさまにはなりえない企業・担当者が多かったため、サンプルデータ化できるくらいかけ切った上で一旦区切りをつけました。時間がかかる割には効率が悪いという結果だったため、現在はこのリストに対してはコールではなくナーチャリングメールで育成することにしています。

自社のリストがない会社は、外部媒体なども使って募集してみるのも手かと思います。(その上で、ばっちり合うターゲットリストであればコールも有効かと思います。)

SNSでのDM

アウトバウンドコールと近しい施策ですが、私のFacebook・Twitter等のSNSでの繋がりを使ってDMでアプローチしました。

効率としての筋は良く、アポ率も良い時で50%くらい取ってました。しかし、SNSでの繋がりが元々少なかった私……。アタックできるリストがすぐに枯渇したため数としては多くは取れませんでした。

フォロワーが多い方であれば十分にやる価値がある施策かと思います。

既存顧客紹介

既存顧客のリストからパートナーさまになりえそうな企業をピックアップして、アプローチしました。こちらについては弊社の場合はそれぞれの顧客にCS担当者がいるので、まずは担当経由でアプローチしました。

こちらも数としてはターゲットになりえそうな既存顧客が少なかったため、すぐアプローチは終わってしまいましたが、相性が良いところは注力すべき施策だと思います。

数珠つなぎ(リファラル)

パートナーの候補として商談した方へ、他にパートナーになりえそうな知り合いがいないかを徹底的に聞きました。

パートナーさまのグループ会社を紹介いただいたりと、一定の効果はありました。しかし、当然のことながら、パートナーさまとの関係値が一定構築できていないと数珠つなぎは難しいため、切り出しが難しく、また数も多くは出ない施策ではありました。

社内連携

ferret Oneの導入を検討している顧客へのコール時に、パートナー希望の方がいた場合は、すぐに私のところへトスアップするようにインサイドセールスチームと連携しました。

ferret Oneの場合は、そもそもferret Oneとしてのニーズが一定発生するこのインバウンド経由の連携が結果的には一番良く、連携方法をブラッシュアップしながら現在もリード数を増やしています。

これらの方法をほぼ同時並行で実施し、やりっぱなしにするのではなく、検証期間を設けながら筋が悪そうなものは大胆に見切りをつけスピード感もって実行した結果、前述の通り約10ヶ月で100社近いパートナーさまを開拓することができました。

案件紹介を増やす

前述のようにして獲得したパートナーさまを、可能な限り「稼働パートナー」、つまり既存パートナーからの紹介が増え、件数が担保されている状態にしていくべく、案件紹介の活性化のために、パートナーさまに対して様々なサポートを実施しています。

パートナー向けサイト・ポータルサイトの提供

パートナーさまがferret Oneの提案時に、わざわざferret Oneにお問い合わせをしてサービスの詳細を聞かなくとも、自主的に情報を取得できる環境を用意しました。

具体的には、契約者限定でポータルサイトを用意し、サービス資料だけではなく、各種お役立ち資料(ホワイトペーパー)なども豊富に格納することで、パートナーさまがアクセスしたくなる、付加価値のあるサイトを用意しました。

勉強会の実施

ferret Oneのプロダクトとしての勉強会というよりも、より上流のリード獲得の方法やBtoBマーケティングの全体像を理解いただき、その目的実現のためになぜferret Oneが必要なのかという視点でお話しする勉強会を実施しています。パートナーさまは必ずしもferret One自体を売りたいわけではなく、クライアントの課題を解決する”ソリューション”を探していると思っていますので、クライアントが抱え得る具体的課題に対して、解決策のヒントになることをお伝えしています。

エンドクライアント向けのウェビナー

「クライアントに対してどう営業してよいかわからない」といったパートナーさまには、エンドクライアントさまを集めていただき、ウェビナーを開催しています。上記の勉強会同様、クライアントの課題に題してどう解決していくのか、そのためのソリューションは何かといった視点でお話していくので、ニーズが合致していれば、短いリードタイムでferret Oneをご紹介いただくことができます。

またこちらは、クライアント全員にまんべんなくアプローチするのではなく、パートナーさまがより具体的に検討をしてもらいたいクライアント1社1社にお声がけし、クローズドのウェビナーを行うこともおすすめです。ある程度課題が明確なクライアントが来てくれるため、よりリードタイムが短くなる可能性が高いためです。

ナーチャリングメール

パートナーさま企業へメールをお送りすることで、タイミングが合致した際に想起してもらえるようにしてます。細かい話ではありますが、こちらは極力温かみを感じていただく文面を意識しています。

まだまだPDCAを回している状態ではありますが、ナーチャリングメールを少なからず楽しみにしてくださるパートナーさまも実際にいるようで、お打ち合わせ時のアイスブレイクにもなりました(笑)

検証する

これらの施策を半年くらい行った結果、パートナーさまに対する売り方や道筋がだんだん見えてきました。しかしこの型でいくという最後の確信がどうしても持てず、いくつかのパートナーさまに対する直接のヒアリングを「20社×30分〜1時間」で行いました。

<ヒアリング項目>
・なぜfOを紹介しようと思ったのか
・fOの価値はなにと捉えているか?それはなぜか?
・継続して取り組んでいただく上での課題は何か?それは解消できるものなのか?
・継続して取り組んでいただく上で要望はあるか?
・今後も紹介いただける案件が発生するか?等

その結果「どういうタイミングでferret Oneを紹介するべきか」「その際どのような提案の仕方をすれば良いのか」など、ヒアリングによってパートナーさまがferret Oneに抱いている疑問や課題などがより具体的に見えてきました。

その意見を元に、パートナーさまに対して適切なアプローチタイミングや提案方法をレクチャーするなど、パートナーさまに対しての向き合い方をよりチューニングしていきました。このように客観的な意見をいただくことは、施策をより効果的なものにしていくためには大変貴重ですし、パートナーさまやエンドクライアントさまのニーズも時間の経過に伴い変わり得ますので、定期的に行うことが大切だと思っています。

SaaSにおけるパートナーサクセスで大事なこと

パートナーさまにヒアリングをしていく中で、パートナーさまがよく紹介するサービスには共通点があることがわかりました。それは“サービスのわかりやすさ”です。

プロダクトの機能というよりも、「何かの課題に対して解決するサービスはこれだ!」と連想しやすければしやすいほど、紹介していただけると感じています。そのため、ferret Oneにおいても、自社のサービスについてとにかく考え抜き、独自のポジショニングと優位性を分かりやすく伝えることが何より大事だと考えています。

また、その上で、パートナーとは結局“人との繋がり”だと思っています。いくらサービスが良くても関係値が良くないと紹介したいと思ってもらえないので、とにかく繋がりを大事にしています。相手との壁を取り払い、良好な関係構築をしていくことで、実際にご相談が増えていったのも事実です。
ただ開拓して終わりではなく、その後ご紹介いただき、受注まで繋げないと当然意味がありません。今後もこれまでferret Oneに賛同いただいたパートナーさまとの連携をより強固にしていきたいと思っています。

・既存パートナーの稼働率向上
・新規から稼働パートナーの転換率向上
・パートナーとのパッケージ開発
・新規パートナーの開拓(パートナー文脈でセミナー登壇などの啓蒙活動)
・連携しやすいプロダクト作り

などなど、そのために、これからもとどまることなく進んでいきたいと思っています!

ferret Oneでクライアントの課題を一緒に解決します!

改めて、自社のプロダクトやソリューションでは解決が難しい領域を、 ferret Oneと取り組んでいただくことで、パートナーさまがクライアントの課題解決ができるようになることを、ferret Oneの「ferret Oneパートナー」制度では目指しています。

・サイト経由での売上拡大をしたい
・リード獲得の取り組みに着手ができていない
・サイトを内製化したい

このような課題をお持ちのクライアントがいらっしゃるようでしたら、ferret Oneで問題解決が可能となりますので、ぜひ気軽にご相談ください!

今後もパートナーセールスに関する情報発信をしていきたいと思います。次回は、パートナーさまからferret Oneが選ばれる理由を書こうと思います!

最後までお読みいただきありがとうございました。

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