『ferret』と『ferret One』で目指す、「Webマーケティングの大衆化」
こんにちは。ベーシック代表の秋山(@basic_CEO)です。
先日Webマーケティングメディア『ferret』のリニューアルを行いました。
この度のリニューアルに対して、多くの方から好意的なご意見をいただきました。改めましてありがとうございます。
さて、今回はそのリニューアルに絡めまして、
・なぜ私がWebマーケティングメディア『ferret』とオールインワンマーケティングツール『ferret One』を構想するに至ったか
・2つのサービスを通じてどのような問題を解決しようと思っているのか
について書いていきたいと思います。
「WHAT」ではなく「WHY」の視点で社会の共通項を見つけ出す
創業以来、ベーシックは比較サイトやECサイトなどの運営で培った独自のWebマーケティング力を軸に、数多くの事業を展開してきました。
そのなかで共通して大事にしているのは「社会のあらゆる問題を解決する」ということです。
こちらについては、私の1本目のnoteで詳しく書いていますので、よろしければ合わせてご覧いただけると嬉しいです。
私は「問題解決とは穴をふさぐこと」と定義しています。
これは、道端にあいた穴をふさぐように、「足りないものを補い、ギャップを正常な状態に戻すことが問題解決である」という考え方です。
人の思考のタイプには大まかに、
・WHY型
・WHAT型
の2つのタイプがあるそうです。
「WHY型」は、テーマを与えられた際に、「物事の背景や理由から物事を理解する」
「WHAT型」は、テーマを与えられた際に、「与えられた物事同士のつながりから物事を理解する」という特徴があります。
これに基づくと、私は前者の「WHY型」だと自覚しています。
「WHY型」の強みは、物事の構造化と抽象化ができることです。
言い換えると、どんどん事象のレイヤーを上げて、問題の共通項を見つけることができるということです。
「WHY」を重ねて見えたマーケティングの問題
『ferret』の原型は、2007年に「検索目的に合った言葉を見つける検索エンジン」である『Ferret』を作ったことに遡ります。
『Ferret』を作ったきっかけは、自社で運営するサイトへの来訪キーワードを分析している時に、私たちが考えるイメージとは違うキーワードでユーザーが申し込み(CV=コンバージョン)をしていることに気づいたことです。
「なぜ、このようなことが起こるのか?」
当時は、Google検索時のサジェスト機能がまだ存在していない時代でした。この「キーワードとCVのずれ」は、ユーザーの語彙量(ボキャブラリー)の欠如と、当時の検索エンジンの文脈の読み取り力の弱さゆえではないか、ということに気づきました。
「これからは言葉がマーケティングにおいて重要になる」と考え、世の中にあるあらゆるキーワードを集めはじめました。
結果的にこの発想があたり、「言葉を探す検索エンジン」は多くのマーケターから支持を受けることとなったのです。
ところが、多くのユーザーに使われるようになり認知が拡大していくと、今度は並行して「Webマーケティング」周りのご相談を多く受けるようになりました。
「なぜ、こんなに相談を受ける機会が多いのだろう?」
ここで私は、Webマーケティングにおけるある意味「違和感」に気づきます。
それは、SEO対策などの手法先行の「部分最適」だけのマーケティングに傾倒している企業の姿です。
部分最適だけをしても、Webの活用による事業効果を感じられず、結果的に「お金を使っても意味がない」と、ITへの失望感を抱えている企業が非常に多かったのです。
私は、Webマーケティングを活用して事業を拡大していたからこそ、それに関してとても歯がゆい思いを感じていました。
「問題の本質は何だろうか?」
そこで改めて整理した、企業の組織上の課題は大きく以下の3つでした。
・知識(組織としてのナレッジ)
・環境(実現力のある環境)
・人 (実行が伴う人材)
世の中で「マーケティング」という行為自体が定義されているようでいない状況、また応用や手法論が横行していて基本的な情報がない状況の中、
「どうしたら、この問題を仕組みとして解決できるのか?」
について徹底的に考えました。
問題を解決するにあたって、私にはポリシーがありました。
それは、「コンサルティング」で世の中を良くするのではなく「仕組み」で解決すべき、というものです。
大切にしているのは、「最大公約数で仕組みをつくり、それを企業が自発的に使えるようにすること」。
ちゃんと機能する仕組みなら、永続的に活用することができるはずです。
つまり企業が自立できることこそが理想であって、コンサルタントがいなくなった途端に元に戻ってしまうのは、本質的な問題解決にはなっていないのです。
その結果たどり着いた答えが、企業が永続的に自立してマーケティング活動が行える「教育」と「ツール」を提供することでした。
と同時に、事業の目指すビジョンが明確になりました。
「Webマーケティングの大衆化」です。
言い換えると、わずらわしいと思うさまざまなWeb上の手法や行為を、万人が使えるものにしたいということです。
これらをサービスという形で具現化したのが『ferret』と『ferret One』なのです。
「本質的な仕事に向きあえる環境」こそ、我々が目指す世界
『ferret』が担うのは、上記のうち「教育」の部分です。
それまでWeb担当者向けに無料のSEOツールとして提供していた『Ferret』は、2014年9月にWebマーケティング関連の情報を発信するメディアである『ferret』に生まれ変わりました。
マーケターに「体系化されたマーケティング知識」を与えること、それが『ferret』の使命です。(『ferret』立ち上げ時の話については、創刊編集長飯高との対談noteにてまとめていますので、ぜひご覧ください)
一方で、知識だけがあってもそれを使う環境が整っていないと、宝の持ち腐れになります。
そこで、『ferret One』が担うのが「環境」の部分です。
一般的に、Webマーケティングの業務を行う際に起こる問題が、「複数のツールを使用することによる業務過多」と「人のリソースのやりくり」です。
これらを『ferret One』という一つのツールにまとめることで、
・Webマーケティング業務の負荷軽減
・社内にエンジニアやデザイナーがいなくても施策を実行できる環境の整備を実現します。
マーケティングという活動自体は本業ではなく、あくまでも事業を進める上での手段です。
であるならば、マーケティングにおける業務は可能な限り効率化し、本業に専念できるのが理想のはず。
環境が整えば、新しい技術を一から覚えたり、情報収集に費やす時間の負担も減り、そのぶん企業が伝えたいメッセージやコンテンツづくりなど、クリエイティブで本質的な仕事に専念できるようになり、サービスを提供すべき顧客に対して、しっかりと届きやすくなります。
いわば、「企業と顧客が、本当の意味でスムーズにマッチングできる世界」になっていくのです。
この企業と顧客の「より良いマッチング」を生み出すために、ベーシックによる「Webマーケティングの大衆化」はこれからも続いていきます。
もし、そんな私たちの理想に共感した方がいらっしゃいましたら、ぜひ私たちの採用サイトをのぞいてみてください。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。