シナジーを生み出せない新規事業の立ち上げに懐疑的だった私が、ベーシックに入社した理由。
はじめまして、株式会社ベーシックで現在ferret One事業部のマーケティング部長を務めている湯本晋一と申します。
まず簡単に経歴をご紹介しますと、私はこれまで以下のようなキャリアを歩んできました。
・24歳から事業部長→新規事業→役員→退職
・主夫業3年間(資格勉強)
・新規事業責任者として人材紹介事業・税理士マッチング事業の立ち上げ
主夫3年間というのも含めて非常にベンチャー感(?)のある経歴だと改めて自分でも感じています。整っている環境の中というよりも、自分で環境を作り上げざるを得ないカオスな環境に身を置き続けてきたと言えるかもしれません。
ベーシックに入社後約3ヶ月という節目のタイミングでもあることから、人材紹介事業の立ち上げを経て様々な転職者も見てきた中で、私自身が「迷うことなくベーシックを選んだ話」をさせていただければと思います。特に以下のような方にはぜひ読んでいただけると幸いです。
・SaaS事業のマーケティングや経営戦略に興味がある人
・次の転職でSaaS業界に飛び込みたいと考えている人
・次に転職する軸について何かヒントが欲しい人
・BtoBマーケティングに興味がある人
・自分はベンチャー気質だという人
これまでのキャリアについて
冒頭の役員→主夫業→新規事業というキャリアも、それぞれ当時の判断軸から判断してきたわけですが、そのような経験を経て「自分自身にとって理想の会社像とは?」という解像度も徐々に高まっていきました。そんな中、今回の転職でどうしてベーシックという会社を選んだのか、これまでの経験を踏まえつつ、その理由を説明していきたいと思います。
①新規事業の立ち上げ
初めて新規事業に取り組んだのは26歳のときでした。その際には本当に多くのことを学びました。ある程度走っている事業の中で取り組むことと、何もない全くの白紙の中から何かしらの事業を自走できるところまで生み出していくことは大きく違います。
ビジネスモデルや競合、マネタイズ、マーケティング、インサイト、事業設計という何百何千という意思決定を、前例など全くない中でしなければなりません。何を意思決定するにも安パイ、無難というものはなく、まさにカオスな状態でした。
ローンチした事業が早々に想定を大きく外した状況に焦ったり、ローンチ1週間で再びフルリニューアルをすることを決断したり、集客面・オペレーション・マネタイズ・組織体制まで一気通貫で関わってきたり・・・と、事業全体を見渡しながら日々生まれる課題に対応する筋力をここでは身につけました。
②主夫業3年間と資格勉強
長く在籍した会社も、先行投資をしなかったツケを支払うように東日本大震災以降から経営状態が急激に悪化。家庭面では長男が小学生になるタイミングで、さらに妻が看護師であったことから、会社を退職して「子育て(主夫業)×法律勉強」に専念することを決断しました。
これまで事業を運営してきた上で、定款や登記、契約書などの企業法務に直面する場面が度々あり、機会があれば法律を体系的に把握しておきたいと考えていたので、3年間という約束で資格取得を目指すことにしました。
結果的に、行政書士などの法律系資格を取得できたり、家事全般を経験できて家電に興味を持てたり、子供との時間を圧倒的に持てたことは自分の中で非常に貴重な経験となりました。
③ブランク3年間から新規事業責任者へ
約束の3年間が終わると、妻からは働くことを急かされました。実は主夫業3年間でもう一つ学んだことがあります。稼ぎのない夫は、バブルがはじけた後の株価のように、また、クリスマスが終わった後のクリスマスケーキのごとく、家庭内ヒエラルキーが下がるということです(笑)
そこで、「裁量も一定ありながら、新規事業を立ち上げようとしている小さめのベンチャーであれば、比較的自由に動けてかつ自分の経験も活かせるので成果も出しやすいのでは?」と考え、「人材紹介事業」「税理士マッチング事業」の事業立ち上げ責任者を任せてもらえる会社に転職し、久々に社会復帰をしました。
新規事業のみならず既存事業もある状況下だったため、新規事業に充てられた人員は自分1人のみ。まずは事業計画や戦略の策定などの上流の仕事を3ヶ月ほどで進め、最終的にはローンチに向けて事業サイドや営業のメンバーの採用により合計8名ほどの体制にまでなりましたが、この頃もなかなかカオスな状況でした。
ローンチ直後、求職者集めはターゲットが絞り切れず苦戦、求人企業の新規開拓も人材業界の経験者を採用したものの全く奮わずと、本当に課題しか出てこない日々でした。ただ、1社目で事業立ち上げを経験済みだったおかげなのか、「こういう結果になるのは何故か?」という問いに対して、冷静に原因特定と改善施策を出せたことで、スピード感を持って状況を整えられたと思います。
これまでのキャリアで見えた「働きがいのある環境」
その後、その会社にて、さらに別の新規事業を立ち上げるという話も出てきたのですが、既存事業とのシナジーを生み出せない分野で単発の事業を複数立ち上げることに対する疑問を、実は同時に抱え始めていました。
例えば、介護・看護関係の人材領域で大手のエス・エム・エス社は、特定領域のユーザーを囲い込むために、メディア・サービスを多く立ち上げたり買収を行なったりしています。そしてその囲い込みにより参入障壁を作ることで、新興の企業ながら大手企業に対しても優位性を築いてきました。(エス・エム・エス社の強みについてはこちらをご参照ください)
「事業の足し算では勝てない」
「勝っている企業は掛け算ばかり」
つまり、「企業として戦略的な事業ドメインがあり、その中で事業やサービスを複数機能させることで顧客の囲い込み、もしくは事業同士のシナジーを生み出せるビジネスモデルを持つ会社」、それが自分が働きがいをもって働ける次の環境ではないかと考えるようになりました。
より具体的に書くと、成長の著しいSaaS業界を中心に、以下3つの要素を次の環境として求めるようになっていました。
(1)先行投資できる経営者(過去の経験から経営者で大半は決まるため)
(2)明確な事業ドメインのもとで複数事業を展開
(3)まさに成長フェーズで挑戦できる環境がある
なぜベーシックを選んだのか
では、上記3つを転職軸を元に、なぜベーシックへの入社を決めたのか、理由をお話しします。
(1)先行投資できる経営者
創業経営者はリスクをとって起業し、一定の成功を手にすると新しい挑戦(リスク)を嫌う傾向にあると経験上感じていました。特に「お金を稼ぎたい」ということが目的で起業した場合には、その傾向が顕著だったと思います。経営者によって企業体質や企業の成長度合いが変わると考えていたので、先行投資できる経営者の元で働きたいと思っていました。
転職を考えるようになっていた時、ふとベーシックCEOの秋山さんのnoteやYouTubeを拝見する機会がありました。
※上記は実際に見ていたYouTube
過去70以上もの新規事業を立ち上げ、いくつもの事業を売却されながら、主力であった比較メディア事業を売却しSaaS事業を中心に経営していくという意思決定には、先行投資するというリスクを抱えながらの決断力・実行力がずば抜けていると感じ、「お金を稼ぎたい」というよりも「新しい課題への挑戦」というロマンを追い求めているように感じました。
そのような判断ができるベーシック代表の秋山と、ベーシックという会社が魅力的に見えたのです。これまでの経験をご自身の言葉で発信している様子からも、そういった背景を感じとることができ、何よりもこれまでの経験に裏付けられた説得力がありました。
(2)明確な事業ドメインのもとで複数事業を展開
自社での初期開発を必要とせずに、低コストでソフトウェアを活用できるSaaS事業は世界的に伸びていることは事実です。これまでは労働集約的な構造に陥りやすいフロー型のビジネスモデルが主流でしたが、SaaS事業はストック型のビジネスモデルだからこその利点も多く、戦略的にも重要視するポイントが中長期的な指標になります。
さらにプロダクトがマーケットフィットして収益構造が整った際には事業がスケールしやすいという点も非常に魅力的です。勃興期を抜けて成長期に移行した日本国内のSaaS市場は今後もますます伸びていくと確信していました。
その中でもベーシックは、ノーコードCMSやMAなどの機能を持つBtoBマーケティングのオールインワンツール「ferret One」や、ノーコードでのフォーム作成に加えて簡易的な顧客管理まで可能な「formrun」という複数のSaaSプロダクトを有しています。いずれも前期比200%超を達成するなど、成長産業であるSaaS業界の中においても特に急成長中の企業であることは非常に大きな魅力でした。
(3)まさに成長フェーズで挑戦できる環境がある
SaaS事業にはプロダクト開発をはじめ、マーケティング、インサイドセールス、フィールドセールス、カスタマーサクセスといった複数部署が連なるバリューチェーンがあり、それらを統合しながら事業戦略に向けて計画を進めていく必要があります。
私が所属するマーケティング部は、そのバリューチェーンの中において、リード獲得から商談化までを担っています。マーケティングには大別して2種類があると考えていて、狭義のマーケティングとしてはリード獲得〜販売プロセスといった施策中心のもの、その一方で広義のマーケティングとしては市場規模やターゲティングから顧客分析までのマーケット分析になります。
・コアターゲットはどこにあり、市場に受け入れられるプロダクトは何か?
・顧客は何を求めていて、どのような判断軸は持っているのか?
・BtoB特有の決裁者が決断する力学は何か?
当然ながらSaaSプロダクトを提供する以上、そのプロダクトが市場に受け入れてもらえる必要があります。プロダクトがアップデートされていく中で、今後のferret Oneにとってのコアターゲットはどこにあり、顧客は何を求めているのか、競合優位性はどこにあるのか。これらの情報を定性・定量の双方で情報整理しておくことは、プロダクト開発やフィールドセールスの販促などバリューチェーン全体に対して重要な意味を持つだけではなく、事業上の戦略決定にも大きな影響を与えるものだと思っています。
まだまだferret Oneには成長する余地が大きく残されているため、成長するためには当然ながら変化も必要とされますが、その戦略に対して大きな基礎となるものがマーケティングであり、ターゲティングあり、顧客分析であると改めて強く感じています。事業全体に与える影響度が大きく、常に変化と挑戦が求められているからこそ、大きな責任と面白さが同居した環境があると言えます。
BtoBマーケティングを始める壁
改めてベーシックは「マーケティングとテクノロジーで問題解決する」ことをミッションに掲げ、具体的には、現在はBtoB企業がWebマーケティングに移行することを阻害している、「知識」「環境」「人」という3つの課題に対して目下取り組んでいます。
その中でferret Oneは「BtoBマーケティングの大衆化」をミッションとしており、BtoB事業やBtoBマーケティングを本格的に始めようとする方、より効率的にBtoBマーケティングを強化することを目的とした方向けのSaaSプロダクトです。
コロナ禍の今、これまでの営業環境は大きく変わってきており、BtoB企業もマーケティング活動に本格的に乗り出そうという意欲も高まっている一方で、「人やノウハウ(知識)の不足」や「始めることの難しさ」といった課題を抱えているBtoB企業は非常に多いと感じています。
リテラシーが高くCMSやMAとしての機能だけを求める場合もありますが、日本のものづくりを支える製造業を含めたメーカー等では、まだまだ展示会や紹介など閉ざされた顧客開拓方法に依存しているケースが少なくありません。情報の非対称、需要と供給が出会えない非効率さ、そういった「不」の解消を目指すことは、日本のレガシー産業の活性化を実現させるということにも繋がります。
・自社ビジネスのターゲット企業はどこなのか?
・どのようなアプローチであれば見込み顧客を増やせるのか?
・商談に繋げるために必要なプロセスやKPIは?
BtoBマーケティングに必要なツール(プロダクト機能)だけを用意するのではなく、実際に成果に結びつけるためのBtoBマーケティングのノウハウも同時に提供していくことが顧客をサクセスさせるためには不可欠です。
導入企業1000社を超えるferret Oneだからこそ、BtoBマーケティングを「型」として提供し、各施策の効果検証も伴走サポートすることで、数多くの企業様にBtoBマーケティングを容易に実践していただくことが可能となっているのです。
これからの挑戦
マーケティングと言ってもtoCやtoB、業種ごとに具体的な方法は異なります。その中でもBtoBマーケティングは法人が顧客となるため、利害関係者も多く、受注に至るまでのリードタイムが長くなる傾向にあります。
BtoBマーケティングでは基本的にリード獲得から受注までに複数のプロセスを経過する必要があるため、リード情報を可視化しながら情報を共有できることが非常に重要な意味を持ちます。
・ペイドアド広告、SEOやコンテンツマーケ、セミナー等によるリード獲得
・BANT条件の取得、ナーチャリングをするインサイドセールス
・商談化した案件顧客に対して営業するフィールドセールス
BtoBマーケティングの特徴であり、BtoCとの大きな違いに「合理的な意思決定」により決断されるケースが非常に多いことが挙げられます。BtoCのように衝動買いや独断で判断されるケースがほとんど存在しないので、BtoBマーケティングには一定の型が存在しています。
ferret Oneでは、導入実績1000社以上のBtoBマーケティングを支援してきた実績から、BtoBマーケティングをサクセスするために必要な共通項を洗い出し、それを「BtoBグロースステップ」という独自の型に落とし込んでいます。つまり、これからBtoBマーケティングを始める場合でもサクセスに導いていけるロードマップが用意されているのです。
もちろん、私自身が所属するferret One事業部のマーケティング部でもferret Oneを使用してマーケティングを実施しており、特に「BtoBグロースステップ」のSTEP2新規顧客獲得からSTEP4営業連携までを日々実践しています。実際のマーケティング部では、Saas指標の一つであるCAC(販管費とほぼ同義)を意識しながら、リード獲得から商談アポ、そして受注までの一連の生産性を高められる施策を実現させるため、常に仮説検証を繰り返しています。
これを書いている今もリード獲得のための「効果的な認知広告の媒体や設計」「認知効果と新規CVの両面で貢献しているferretとの連携」「ターゲットに訴求できるコンテンツ」「顧客分析」などの戦略や施策に対しての解像度を高めつつ、実行検証をするために頭を悩ませている日々です。
バリューチェーンの中でも最もマーケットと近いマーケティングだからこそ事業に与えるインパクトも大きいと思っていますし、何よりもBtoBマーケティングをするためのプロダクトをBtoBマーケティングしているということ自体が、マーケターにとっては非常に興味深い環境だと言えるのではないでしょうか。
素晴らしいメンバーが揃っています!
最後になりますが、ベーシックには驚くほどポジティブで協力的な方々が本当に多いと感じています。複数の部署が一つのプロダクトにおいてバリューチェーンを形成するからこそ、部署を超えた連携が必要不可欠であることが大きな理由になっていると思います。
大きくグロースした企業で経験を積んでいる役員はもちろん、私が日々一緒に働くマーケティング部のメンバーにも、Twitterのフォロワー数も多くセミナーノウハウに長けたスペシャリストである河村、コンテンツマーケティングやメルマガなど顧客理解に非常に精通している梨木、さらに受注を支えるフィールドセールスには若く熱い部長である神田など、非常に優秀かつ協力的なメンバーが多いです。
それぞれの力を上手く合わせることができれば、今後の受注効率をさらに高める戦略が実現され、大きく事業に貢献すると思っていますし、それができると心から思っています。私自身、国産SaaS×BtoBマーケティングという中でTOPプロダクトを目指せるように、よりマーケットフィットしたプロダクトをBtoBマーケティングに課題を持つBtoB事業者に届けられるマーケティングを推進していくために、とても大きな挑戦ではありますが、大きなやりがいの中で日々業務に取り組むことができています。
このようなベーシックですが、事業成長が加速している今、複数のポジションが採用強化中となっています。ご興味がある方は、ぜひベーシックの採用ページをご確認ください!
この記事を読んでベーシックでの仕事に少しでも興味が湧いてもらえたら幸いです。
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最後までお読みいただき、ありがとうございました。