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よく聞く「セールスが協力してくれない」は、マーケの意識の問題である、という話

こんにちは!株式会社ベーシックの林侑平(@YUHEI_CALCIO)です。
ベーシックアドベントカレンダー2024の24日目を担当いたします。

今日は、12月24日!メリークリスマスイブ!ですね!
ぜひ素敵な1日をお過ごしください♪

さて、私はBtoBマーケティングの実行力を提供している「ferret」のマーケティング責任者を努めています。セミナーへの登壇や展示会への出展などをしていますので、もしかしたらどこかでお会いしているかもしれません。いつもありがとうございます!

▼BtoBマーケするなら「ferret」


今回のnoteでは私たちferret マーケティングチームの今期の取り組みの振り返りから、マーケとセールスの連携をテーマに、私なりの考えを紹介させていただきます。

はじめに:今期の振り返りと課題の気づき

2024年、私たちマーケティングチームは「リード獲得の質転換」をテーマに掲げ、全力で施策に取り組みました。

  • オウンドメディアの改善

  • サイトリニューアル

  • 共催セミナーや自社セミナーの配信

  • 展示会への出展

  • パートナーセールスの推進

  • 新たに定期開催をスタートしたオフラインイベント

その結果、新規リード獲得数は前年比120%と成長させることができました。タッチポイントの強化や施策の数を増やしたことが奏功し、これまで以上に多くのリードを生み出すことができました。しかし、一方で、最終的なKGIである商談化目標には届かず、課題が浮き彫りになりました。
なぜ、これだけの成果を出しながら商談化目標を達成できなかったのか?
この問いに向き合い続けた結果、「リードの質」と「リード獲得後の顧客体験」に課題があることに気づきました。そしてこの気づきこそが、マーケティングの新たな役割、つまり後方支援の本質を再認識させたのです。

今期の反省:量は達成、質が足りなかった理由

振り返ってみると、施策の「量」は十分に拡充できました。新しいチャネルやタッチポイントを増やし、多くのリードを獲得することができました。しかし、そのリードがセールスにとって「動きやすいリード」であったかというと、必ずしもそうではありませんでした。

課題1: リードの質の不足

獲得したリードの中には、商談化の可能性が低いものも多く含まれていました。ターゲットの精度やスコアリングの仕組みがまだ十分に整っていなかったことが原因です。

課題2: 顧客体験の不一致

リード獲得後のフォローアッププロセスが不足していました。獲得後のリードに対して、適切なタイミングで価値を提供するアプローチが十分でなかったため、多くのリードが商談化に至る前に離脱してしまいました。
これらの課題から、マーケティングがセールスの成果を最大化するための「後方支援」という役割を、""より深く""追求しなければならないと痛感しました。

そもそも:マーケティングの本当の価値とは?

マーケティングの目的は何でしょうか?リードを獲得すること?認知度を上げること?確かにそれも重要な役割ですが、それはあくまで途中経過です。
マーケティングの本当の価値は、売上に貢献すること。 そしてそのためには、セールスが成果を出せる環境を整える「後方支援」が不可欠です。
一言でいえば「商談創出のプロデューサー」がわかりやすいですかね。
マーケティングとセールスの関係を、テレビ番組制作やイベント運営に例えるならば、マーケティングは「プロデューサー」であり、セールスはその番組やイベントの「出演者」なのです。
なので、「後方支援」というと守りのイメージが強いですが、売上を最大化するための「攻めのサポートエンジン」としてここでは捉えてください。
この「後方支援」という言葉、耳には馴染んでいても、実際にどれだけ深く考え、行動に移しているでしょうか。マーケティングがリード獲得を超えて、セールスと肩を並べ、同じ目標に向かう姿勢がなければ、事業の成長は決して加速しません。
だからこそ、マーケチームは「後方支援」という役割を真剣に受け止め、熱い情熱を持って実行しなければならないのです。

後方支援とは、セールスの成果を最大化すること

後方支援とは、セールスが「全力で顧客に向き合い、成果を出せる環境」を整えることに他なりません。それは単なるサポートではなく、マーケティングが担うべき最も重要な役割の一つです。

1. 質の高いリードを提供する

リードをただ数多く獲得すればいいわけではありません。必要なのは、セールスが自信を持ってアプローチできる、商談化の可能性が高いリードです。
マーケティングが成すべきことは、「売れる見込みのあるリードを見極めて渡す」ということ。そのためには、ターゲティング、リード育成、スコアリングを徹底し、質の高いリードを生み出さなければなりません。
これは簡単なことではありません。しかし、マーケの努力がセールスの時間と労力を守り、顧客と真剣に向き合う時間を作り出すのです。この意識なくして、マーケティングは機能しません。

2. セールスに武器を与える

セールスは戦士であり、顧客という戦場で戦っています。その戦いを勝ち抜くために、マーケティングは強力な武器を提供する必要があります。
成功事例、顧客の課題を解決する提案資料、説得力のあるホワイトペーパー…。これらのコンテンツがなければ、セールスは顧客の信頼を勝ち取ることができません。
マーケティングが全力で武器を磨き上げ、それをセールスに渡す。その連携が事業成長を引き寄せるのです。マーケチームが提供する一つひとつの資料、記事、コンテンツが「顧客を動かし、契約を決める」瞬間を作り出すと信じて取り組みましょう。
この表現は事業視点での表現ではありますが、マーケターが考えるべきである”顧客視点”においても「顧客が意思決定するために必要な情報」となるため、結果的に顧客がしっかりとご検討いただける重要な観点と考えています。

3. セールスとともに戦う意識を持つ

マーケティングとセールスは別の組織ではありません。同じ目標を追う、一つのチームです。この意識がなければ、いくらリードを渡しても成果にはつながりません。
マーケはセールスと共に戦う覚悟を持たなければなりません。セールスから「このリードは質が悪い」「顧客が求めている提案資料が足りない」という声が上がれば、それを受け止めて即座に改善策を打ち出す。その繰り返しが信頼を生み、チーム全体の成果を押し上げます。
定期的なミーティングやフィードバックの共有、そしてデータの透明性を保つことで、マーケティングとセールスが同じ方向を向く環境を作り出すのです。

マーケティングが意識すべきこと:全力でセールスを支えるために

顧客視点を最優先にする

マーケの活動の中心には、常に顧客がいなければなりません。例えば、顧客が「リードが増えない」と悩んでいるなら、それは単なる数字の問題ではなく、ターゲットの選定や提供価値の訴求方法に課題がある可能性があります。

  • 顧客課題の深掘り
    顧客と直接対話し、「どんな情報が足りていないのか」「何に困っているのか」を細かくヒアリングします。例えば、「新規顧客の獲得コストが高い」という課題があれば、それに対応する具体的なコンテンツや施策を提案します。

  • 行動データの活用
    顧客がサイトでどのページを見て、どんな資料をダウンロードしたのかを分析し、「顧客が今本当に求めている情報」を特定します。その上で、興味のあるトピックにフォーカスした次のアプローチを計画します。

  • パーソナライズした解決策の提供
    一律な対応ではなく、顧客ごとに異なる課題にフィットするコンテンツや提案を届けます。例えば、「営業効率を上げたい」と考える顧客にはインサイドセールスの活用事例を、「ブランド認知度を高めたい」という顧客には成功事例コンテンツを提供します。

個人的には「顧客に直接ヒアリングさせていただく」、これが一番解像度が上がる取り組みだと考えていますが、顧客の課題に直接アプローチすることで、単なる情報提供ではなく、具体的な価値を提供できるのです。顧客視点を最優先にマーケティング活動を行うことが、他と差別化されるポイントなのです。

データを武器に戦略を立てる

感覚に頼るのではなく、データに基づいた意思決定を行うこと。顧客ジャーニー、リードスコアリング、受注傾向の分析を徹底し、より効果的な施策を生み出しましょう。

  • 顧客ジャーニーの追跡
    Webページの訪問履歴、資料ダウンロード、セミナー参加などの行動データを可視化。「どの接点が商談化につながるか」を見極め、効果的なチャネルに注力します。

  • リードスコアリングの活用
    資料を2種類以上ダウンロードしたリードや、特定ページを複数回訪問したリードに高スコアを付け、セールス優先のリストを作成。これにより、セールスが「動きやすい」リードだけに集中できます。

  • 受注データの分析
    過去の商談データを振り返り、受注につながりやすい業界や役職を特定。「IT業界の営業部長が成約率50%」とわかれば、そのターゲット向けのコンテンツを展開します。

このように、データを具体的な施策に直結させることで、効果的なマーケティング活動を実現します。

柔軟性とスピードを持つ

市場や顧客のニーズは日々変化します。それに対応するためには、マーケも変化を恐れず、新しいアイデアやアプローチに挑戦し続ける必要があります。

  • 施策の即時見直し
    反応が悪い広告やコンテンツはすぐに分析し、翌週には修正を反映。

  • 新しいチャネルのテスト
    SNSや新しい広告プラットフォームを迅速に試し、効果が出れば全力投入。

  • 顧客の声を即反映
    セールスや顧客からのフィードバックは、翌日中に施策改善へ繋げる。

スピードと柔軟さで、成果を逃さないマーケティングを実践します。

「売上貢献」という最終目標を見据える

リード数やMQLの増加に満足してはいけません。それらはあくまで途中経過に過ぎず、マーケチームの最終目標は「売上の最大化」です。そのために、マーケティングは事業を動かす「プロデューサー」としての役割を果たさなければなりません。
マーケチームは、商談という「番組」をプロデュースする存在です。リードを獲得し、育成し、セールスが輝ける舞台を用意する――これら全てが売上を作るための準備であり、事業を加速させるための基盤です。そしてその舞台が整ってこそ、セールスが顧客と対話し、成果を生み出すことが可能になります。
具体的には、リードスコアリングで商談化率の高いリードを優先し、顧客の課題を深く掘り下げたコンテンツを用意し、セールスにとって価値ある武器を提供する。さらに、セールスとの連携を密にしながら、商談化までの道筋を一緒に作り上げる。これこそがマーケティングが担うべき「売上貢献」の実現プロセスです。
マーケティングは単なる支援者ではなく、事業を成長させるための「攻めのプロデューサー」。この意識を持ち、日々の活動を行うことで、全ての行動が正しい方向へ導かれます。そして、事業全体の成功に直結するマーケティングを実現するのです。

まとめ:セールスの成功を自分の成功とする

2024年、私たちはリード獲得の大きな成果を出しましたが、商談化や売上に繋がる「質」の部分に課題を残しました。この経験を通じて、マーケティングの後方支援の重要性を改めて実感しました。
2025年は、後方支援の精度をさらに高め、セールスと共に目標達成へ向けて挑戦する一年にします。マーケチームの努力がセールスの成功を支え、顧客に価値を届け、事業全体を成長させる――その責任と覚悟を持って、新しい挑戦に進んでいきます。
マーケティングは「リードを獲得するだけの組織」ではありません。セールスが最大限の成果を出せるよう支え、事業全体を成長させる原動力となる存在です。
後方支援とは、「セールスの成功を自分の成功とする」姿勢です。そのために、マーケチームは顧客視点を持ち、データを駆使し、セールスと共に戦い、柔軟かつ迅速に行動する必要があります。
マーケチームの活動が事業成長の基盤を築き、セールスの努力を後押しし、顧客に価値を届ける――これがマーケティングの新しい役割です。この役割を全うするために、情熱を持って挑戦し続けましょう。

明日で最後!最終日の締めくくりは・・・

PLG事業部の kai くん です!お楽しみに!メリークリスマス!

▼ベーシックアドベントカレンダー2024


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