経営をより深く知るために、BtoCの経営企画を経てBtoBのCS企画に挑戦している話
こんにちは! 株式会社ベーシックの坂本 伽染(ときぞめ)と申します。(ベーシックではとっきーと呼ばれています)
私はRIZAPグループ株式会社の経営企画などに3年間携わった後、2022年4月にベーシックに入社し、オールインワン型BtoBマーケティングツール「ferret One」のカスタマーサクセス企画(兼事業企画)として仕事をしています。
カスタマーサクセス企画という言葉だとつかみどころがなく感じられるかもしれませんが、カスタマーサクセスに関する活動/仕組みをデータ等を元に分析し、サービスの改善、構造の変更に取り組む仕事、と捉えていただければと思います。
この記事では、「なぜベーシックに入社したのか」「経営企画からカスタマーサクセスへ飛び込んでみて感じることや学び」「入社して感じたベーシックの魅力」を経験談を通してお伝えできればと思います。以下に該当する方にお読みいただけますと嬉しいです!
なぜベーシックに入社したのか?
冒頭で触れました通り、私はベーシック入社するまでは、新卒で入社したRIZAPグループ株式会社にて、経営企画業務などを3年間経験しました。将来経営の意志決定に関わる仕事がしたいと考えていたため、そこへの解像度を高められる職種を志望し入社した結果、運よく希望が通り、事業会社→持株会社の順に経営企画の業務に携わることができました。その中で経験したのは具体的には以下のような業務です。
グループ会社数十社、連結で5000人以上の従業員規模の企業において、経営陣とも密接に動く経営企画業務を通じて、当初求めていたように経営への解像度は大きく高まりました。
一方で、日々管理・分析している数値から見えてくる課題の解決に向けた事業当事者としての意思決定の経験や解像度、事業会社・現場を巻き込んだ施策の推進力に、自分自身の課題を感じはじめました。
顧客のことをより深く知り、施策を考え、実行とフィードバックを繰り返すことで得られる「より深い事業理解」「洞察力」や「推進力」を高めていくために、よりコンパクトな企業で、より事業に近い経験が必要だと考え、転職活動を始めるようになりました。
転職活動にあたっては、企業のサイズ感に加え、高い利益率を実現できるビジネスモデルの会社での経験を積みたいと考え、BtoB/ITの方向性でまずはざっくり絞ることにしました。
その中で声をかけてくださった内の1社がベーシックでした。社員の方との面談を通して、ferret One事業やその課題となっているカスタマーサクセス業務についての説明を聞き、またその過程で自分が本当にやりたいことを言語化していく中で、最終的には以下3つが入社の決め手となりました。
①心理的安全性が非常に高く挑戦がしやすい組織
選考プロセスを通して、能力を測って評価されるのではなく「自分がやりたいことに対して、会社がどういう価値が提供できるのか」をとにかく真剣に考えてくださる社員の皆さんの姿勢から、社員のキャリアパス形成への本気度や、Win-Winの関係で入社してほしいという熱意を強く感じました。
また、話した社員全員の物腰が柔らかく、馴染みやすい雰囲気ながらも自分たちの向き合う課題や挑戦に対しての熱量は滲み出ていて、チームとして仕事をしていくにあたって理想的な人が集まっている組織だと同時に感じました。
その中でも、面談時に現在の上長にあたる島田から「現在取り組んでいる課題がめっちゃムズいから助けてほしい」とフランクに伝えられたのがとても印象深かったです(笑)
「この組織なら多少仕事がキツくても楽しくやっていけそう!」と率直に思いました。(島田が取り組んでいる挑戦については、島田自身の入社エントリもぜひ合わせてご覧ください)
②事業を通して向き合う課題の面白さ
ferret Oneでは「Webマーケティングの大衆化」というミッションを掲げています。これはWebマーケティングを「今できる」お客様だけでなく、「これからしていきたい」お客様のマーケティングにおける成功に対してもコミットし、最終的には誰もが簡単にWebマーケティングを行える世界を実現していきたいということです。
そのためferret Oneでは、Webマーケティングへのリテラシーに関係なく、サイト制作〜マーケティング施策が直感的に実行できる「ツール(=ferret One)」の提供に加えて、サイト戦略の構築から数年後の組織体制まで見据えながら、定期的に打ち合わせを実施し、施策に関する提案を行うことで「ノウハウ」を合わせて提供しています。
BtoCの業界ではマーケティングノウハウはある程度体系化されており、Webマーケティングも含め一定の予算を投下することは既に一般的なものとなっていますが、BtoBの業界では、以下の記事でもCOOの林と上長の島田が語っている通り、Webマーケティングのノウハウはまだまだ発展途上かつ取り組み自体も遅れています。
そのような課題に対し、事業を通じて、まさに自分達でこれから答えを作っていく領域であることから、今後様々な挑戦ができることに大きな魅力を感じました。
③自分が得たい「顧客のことを深く考え、人を巻き込んで施策を推進する経験」とCS業務の相性
ベーシックから最初に声をかけてもらった時は、”カスタマーサクセス”という言葉自体は知っていたものの、カスタマーサクセス業務に関わったことが全くない状態でした。
話を聞いたり調べたりしていくなかで、その業務は、「お客様の成功を起点に施策を考え、顧客に関わる全部署を巻き込んで施策を推進する」という、まさに自分が欲している経験そのものが得られる仕事だと感じました。
それまで経営企画の仕事をしていたこともあり、経営目線での数値の分析やトップダウンでのプロジェクト推進経験はあったため、そこに顧客の生の声やデータを捉え、サービスやプロダクトの改善を立案・推進する現場目線での経験を加えることで、経営の上流〜下流をつなぐ「企画」で生まれる価値が発揮できるようになれるのではと強く感じました。
入社して感じる魅力
ではそんなベーシックに入って実際にどう思っているのか、入社理由を書き終えて早速ではありますすが、その答え合わせをしていきたいと思います!皆様がもしベーシックに入社してくださった際にも同じように感じていただけるであろう要素を3つお伝えできればと思います。
①(思った通り)心理的安全性が非常に高く挑戦がしやすい組織だった
まず事業や部署を超えてあだ名で呼び合ったり褒め合う文化が定着しながらも、言うべきことは言えると言う心理的安全性が非常に高い組織であることが大きな魅力の1つだと思います。
人という観点では、利他的な方が多く、業務上必要な情報の入手や困り事の解消が一瞬で終わると感じています。また、BPの1つである「TRY&LEARN」、つまり、失敗してしまっても、意志や理想を持ったチャレンジには学びがあり、それを次回に活かせばいいという考え方が浸透しているからこそ、先述の通り部署や年次関係なく自由に意見をぶつけることも、「まずはやってみる」ことも、仮説検証も爆速で進んでいます。
②(また思った通り)事業課題の難易度が高くて面白い、そして本気で取り組める
「ferret One」が目指している「Webマーケティングの大衆化」の難易度は、いい意味で半端なく高く、まだまだ多くの事業構造の改善・改革が必要ということを感じています。BtoBマーケティングをどんなお客様でもできるよう①型化すること②それを届けること、いずれも難易度が非常に高いです。
一部は後ほど触れますが「お客様がWebマーケティングにおいて最短で成功するためのサポートシナリオの設計と実装」「CS業務のロー/テックタッチ移管によるハイタッチリソースの最適化」などが、CS企画に特に関連がある重要なテーマです。今のフェーズとしては「答えを作っていく」という表現がピッタリ当てはまるかと思います。
ferret Oneがこれまでお客様から良い反応をいただいており、それを実現した各種CS活動でも一定の成果を上げてきているからこそ、ある種自己否定的に事業構造を見直すことは、負荷がかかることではありますが、そこに一丸となって取り組み、「生みの苦しみ」や「新しい発見がある楽しさ」が混在するある種カオスな状態に、面白さとやりがいを感じています。
③(またまた思った通り)データを活用しつつも、N=1で顧客を知り、チームで業務遂行できる環境
カスタマーサクセスは文字通り「お客様の成功」を達成する仕事ですが、成功への過程、つまりお客様が「どのようにferret Oneの機能を活用するか」「どんなマーケティング施策を実行するか」は予算や体制に応じて異なります。
そのため「お客様の成功」のためには、システムの活用方法や実施していただく施策と成果の関係をデータを基に科学し、「お客様の成功方法の型化ができるか」「その型を提供し直感的に活用してもらえるか」が重要です。
それに加えて、ferret Oneでは累計1,000社を超えるお客様に導入いただいていますが、一般的なBtoC事業と比較すると使えるデータは限られているため、商談分析や日々届くお客様の声などを基にN=1で洞察するアプローチが求められます。
このように累積データとN=1の両面から施策検討をしていくプロセスが業務の常となっているため、顧客解像度が非常に上がりやすい状態となっています。現場勘を吸収しながら施策を考えることから、考え方の筋も磨かれる感覚が得られています。
さらに、CS施策実行のためには、ハイタッチで顧客サポートを行うカスタマーサクセス組織、問い合わせ対応やヘルプコンテンツ作成を行うテクニカルサポート組織など、他の部署も巻き込んでいく推進力が求められます(自分はまだまだですが……)。
このような様々な取り組みを、お客様からの声を収集しタイムリーに事業部内へ展開するferret One独自の仕組みである”Uber Voice”で把握しながら行うため、常に事業に対する手触り感や学びを得ながら仕事ができる点もferret Oneの魅力の1つだと思います。
お客様の生の声をポジネガ両方把握できるこのUber Voiceという仕組みは個人的に最高だと思っており、ferret Oneで業務をする中でいい意味で衝撃を受けたものの1つです。(Uber Voiceの活動の詳細についてはぜひこちらのnoteをご覧ください。)
現在取り組んでいるミッション
そんな魅力溢れる環境にて、私が現在取り組んでいるミッションを具体的にご紹介していきたいと思います。大きくは以下2つです。いずれも手強いですが、非常にやりがいがあるミッションです。
ミッションはいずれも「お客様にferret Oneの機能を最大限活用いただき、最短で成功に導く」という課題を解決するためのものです。
ferret Oneは多機能であるが故に細かい操作に悩んでしまったり、必要な機能を見つけて使いこなすことができないお客様が一定数見られ、①②のミッションで解決しなければならない以下2つの課題が発生しています。
ミッション① オンボーディング(導入支援)におけるハイタッチ業務の改善・改革
オンボーディング(弊社担当がついての導入支援)では、担当がお客様と共に「どんなサイトを作り、どんな施策を実行すればマーケティングが成功するか」の戦略を設計することで、進むべき方向性を示し、ferret Oneを活用していただく土壌をつくることが重要です。
しかし実際はオンボーディング業務において、ferret Oneの機能に関するお客様からの問い合わせなどへの対応割合が多くなり、「人が介する価値のある業務」に集中しきれない状況が生まれています。
これは主にお客様の課題解決手法の最適化(次段落で詳述)で解消されるべき問題ですが、オンボーディングの設計自体もまだまだ発展途上であるため、お客様の最短での成功に必要な要素を抽出して、業務を見直して不要業務のスリム化、提案自体の質の向上を図っていくことが①のハイタッチ業務におけるミッションです。
具体的にはオンボーディング担当が行っている業務工数の見える化による工数削減の余地の検討や、価値提供のボトルネックの分析などを行っています。
ミッション②お客様への価値提供のロー/テックタッチ化推進
お客様からの問い合わせ対応について、機能に関する疑問であればヘルプページやテクニカルサポートで解消したり、動画などで学習していただくことでそもそも弊社の担当者を介さずに自力で解決していただくことが可能なはずです。そのため、ferret Oneでは「ヘルプページ」や「操作レクチャー動画」、「施策別の機能活用方法資料」といった充実した限定コンテンツを準備しています。
一方で、お客様が困った時にこれらの情報に最短でアクセスできる仕組みがまだ準備できておらず、一部のお客様には弊社に問い合わせる手間を取らせてしまい、結果としてお客様の課題解消までのリードタイム発生や弊社顧客担当の工数の増大に繋がっています。
また、新機能の案内も、現在はferret Oneの担当がハイタッチで行っていますが、使っていただくツール上でポップアップなどで概要をお知らせしたりすることで機能の案内がそもそも不要になり、活用方法の詳細に絞った提案ができたりするはずです。
このようにお客様に必要な情報を最適なタイミングで最適な手法でお伝えし、機能に関する疑問の解消や新機能の活用をセルフでも可能にするような設計がロー/テックタッチ化におけるミッションです。
【行っている業務の例】
特にミッション②のロー/テックタッチ化については、入社してからの3ヶ月で特に注力したものなので、実際に行った「チュートリアルツールの導入」の話を書いてみます。チュートリアルツールとは、利用しているシステム(ferret One)上でポップアップ等を活用し、実際に操作しながら操作方法や機能詳細を理解してもらうためのツールのことです。
チュートリアルツールの導入を担当するにあたり、ferret Oneへの新機能実装に合わせて、新機能を活用してもらうためのチュートリアルの設計〜実装までを3週間ほどで実行しました。対象の新機能は非常に有用であるものの、設定しないと使うことができない機能であったため、まずは設定を完了もらうために以下を意識して施策を進めました。
短期間での設計〜実装でしたが、前述のように爆速でフィードバックをくれる他部署の方達の積極的なサポートもあり、結果としてチュートリアルを実施したお客様はその他のお客様の5倍以上も機能活用して下さったという形でクイックウィンを達成できました。
今後もこのような形で実装と検証を繰り返し、チュートリアルにとどまらずロー/テックタッチでの情報提供を推進していく予定です。
顧客向けに施策を打つという経験は未経験であったにも関わらず、入社直後から裁量の大きな仕事を任せていただいたので、プレッシャーもやりがいも大きかったです。このようにストレッチの効いた業務を他メンバーの惜しみない協力の元で推進できる点はベーシックの大きな魅力だと思います。
今後の挑戦
経営企画というバックオフィスのキャリアからCS企画職に飛び込んだため、いきなりエンドユーザーに関わる仕事ができるか不安でしたが、色々な部署の手厚い協力もあり手応えを感じながら仕事ができています。
経営側からみていた「管理/財務数値」と、CS業務で得られる「N=1での顧客への深い理解や施策の手触り感」の両面から気付きを得ながらの業務のため日々の成長実感もとても大きいです。ベーシックに入社することで得たかった「より深く経営を理解し関わるための事業理解」や「施策の推進力」も「TRY&LEARN」を通して獲得できていると感じます。
「企画」という共通項を維持しながらの「経営」→「CS」&「BtoC」→「BtoB」という軸ずらし転職(?)は、単なる「何でも屋」になるリスクもありましたが、使う言葉も商慣習もマインドも異なっていて視野が広がりますし、両者の共通点や差異を通して得られる気付きも多いため、思い切って飛び込んでみて本当によかったと思っています。
ちなみに7月からは事業企画も兼務となり、前職でやっていた法務関連の対応や数値管理の業務もしているため、どんどん守備範囲が拡がってきています(笑)
今後は、まずは何より今回ご紹介したferret Oneを導入するお客様へのロー/テックタッチサポートの充実により、お客様が達成したい目標を最短で達成できる世界観を作っていきたいです。そのために、マーケティングにおけるフェーズごとのferret Oneの機能活用方法/施策の実施方法をシナリオ化し、必要なタイミングで必要な情報を届けられるようなチュートリアルツールの活用や、導線設計を進めていきます。
お客様を満遍なくハイタッチでサポートしているオンボーディングの現状から、自走できる(したい)お客様には快適に自走していただき、ハイタッチのサポートが必要なお客様にはその分リソースを割けるような形の事業構造にしていきたいと考えています。
ベーシックはコンサルティングや企画系の業務を経験してきた方にとっては「現場をガン見しながら、培ってきた思考を活かしてインパクトを生み出せる。同時に別の角度や粒度での事業理解と経験を得られる」そんな最高の環境ではないかと思います。
まだまだやりたいことに対して人が足りていない状況です。自分と同じような目標、課題やお悩みをお持ちの方がいたら、ぜひベーシックの扉を叩いてみてください!
最後までお読みいただき、ありがとうございました!