新卒入社した企業で部長になった話 〜ターニングポイントとなった「4つのエピソード」を添えて〜
みなさんこんにちは。株式会社ベーシックの甲斐(@Kai_MSYK)と申します。
ベーシックでは「PLG事業部」という名の、PLG型(Product-Led Growth)のSaaSを開発・提供する部署が存在しており、私は現在「PLG事業戦略部」を統括する部長職を担当しております。
よく「事業戦略部ってどんな仕事をするの?」と聞かれる機会が多いのですが、私の解釈としては大きく分けて以下の役割を担当しています。
経営戦略に則した目標設定
コーポレートサイドと連携しての予算や人事の調整
「作戦・戦術・兵站」への落とし込み
事業活動のモニタリング
内外部要因に伴う期中の施策見直し&調整
事業戦略部としての業務はエキサイティングなものが多く、刺激に満ちた日々を過ごしております。ただ、今回は「新卒入社した企業で部長になった話」というテーマなので、事業戦略部としての取り組みが気になる人は、Xで気軽に甲斐(@Kai_MSYK)宛にDM等をいただけますと幸いです。
なお、今回のnoteを執筆するにあたり、ベンチャー企業1社で転職せずに「新卒入社の1人→部長」というキャリアを経験をした方は、意外と少ないのではないか、と改めて思い直しました。Xでも、部長就任時には多くの「いいね」や「リプライ」をいただけたことが本当に嬉しく、反響の大きさには驚かされました(執筆時にリプライやDMを返せていなかったと気づき、年末年始にかけて皆さんに随時お返事します…!)
そのため、ベンチャー企業で部長職を目指す方のお役に立てればと思い、これまでのキャリアにおける「大きな学びを得た瞬間」や「ターニングポイント」をテーマとして、エピソードを交えながら振り返るnoteを綴ろうと思います。
【エピソード①】インターンとしてferretの運営チームに入った時の話
私がベーシックに入社した時、初めてインターンとして所属したのが、Webマーケティングメディア『ferret』の運営部署でした。
インターン時代に上長だった方々は、今でもSaaS企業やスタートアップを始めとする名の知れた企業で働いている方が多く、当時は皆さまからいつも丁寧なフィードバックを沢山いただき、思い返せば本当に感謝しかありません。
そして、そうした方々との出会いの中でも、特に当時に創刊編集長を務めていた飯髙さん(@yutaiitaka)と出会えたことは、自分にとって大きな財産でした。
私は元々、学生時代にはSNSの運用代行を企業から請け負っていたり、自身でWebメディアを立ち上げたりするなど「同世代に比べたらSNS運用に自信がある」というスタンスで、非常に調子に乗っていた若造でした。ただ、そのような働き方には漠然とした不安を抱いており、スキルを切り売りするのではなく、企業体の中で経験できる「失敗」や「学び」を糧にキャリアを積み上げていかないと、大きなコトを成し遂げるのは難しくなってしまうかも・・・という危機感に駆られていました。
当時の入社面接の際、「僕、SNSについては結構詳しいんですよ〜」と調子乗るにも程があった私に対し、そうした態度を頭ごなしに否定することなく、面白がって受け入れてくださった飯髙さん(@yutaiitaka)には、改めて感謝しかないです。(当時から飯髙さんはソーシャルメディアマーケティングの世界では有名だったので、今思い返すとめちゃくちゃ恥ずかしい思い出ではありますがw)
そして、いざferretの運営部署にてさまざまな業務に取り掛かるのですが、実際に記事の執筆を任せて頂いたり、Webマーケティング業務の分析を行ったり、メディアイベントの企画や集客を任されていたり、という毎日でした。
そんな折に、SNSを始めとする情報発信まわりを担当していた際、「ユーザーとしての自分を忘れないこと」「目の前の人に響く情報を届けること」が大事であることを教えていただいたのは、今でも覚えています。
「SNSで数万人に向けた情報を出そう」「マーケティングで数多くの人にリーチする施策をしよう」という甘ちゃんな発想だった自分の考え方を反省し、目の前の1人の相手、もしくは自分自身がターゲットだったと仮定して態度変容を促せない施策は、何も成果を生み出さないことを学びました。
【エピソード②】「担当事業の譲渡対応」と「買収したサービスの1人BizDev」を担当した半年間の話
ベーシック入社後、OJTの一環でさまざまな業務を担当したのちに、オンデマンドでオリジナルグッズを作成するECサービスのディレクターを務めていた時の話です。
担当するサービスの事業譲渡が決まり、現場業務の整理や、サポート体制の引き継ぎ等の取り組みと並行し、ほぼ同時期のタイミングでベーシックが「formrun|フォームラン」というサービスの運営企業の親会社となることが決まりました。
そして、自分がその1人目のBizDevとして、創業者からformrunを受け継ぐ運びとなりました。
いまだに覚えているのは、代表の秋山さん(@basic_CEO)から会議室に呼び出しがあり、「formrunの運営を甲斐君にお願いしたい」と言われたシーンです。
当時の私の年齢は20代半ばでしたし、マネージメントも経験したこともなければ、プロダクトのビジネスサイドが自分1人しかいない環境なんて、当然のごとく未経験でした。
私自身、今日まで年齢を重ねるたびに、「あの時の秋山さんの立場になったとして、甲斐にプロダクト推進を任せるような意思決定が本当にできるだろうか?」と考えるシーンが多いのですが、その度に「いやw そんな無謀なことをさせたりしないでしょw」と私自身は都度思ってしまいます。
山本五十六の人材育成論に「やってみせ、言って聞かせて、させてみせ、ほめてやらねば、人は動かじ」という有名なフレーズがあります。まさしくこちらの言葉の通りで、代表の秋山さん自身が不確実性の高いチャレンジや意思決定を繰り返しながら「やってみせ」を体現し続けてきたことは、自分にとっては1つの大きな基準であり続けています。
また、私自身のこれまでのキャリアを振り返っても、大きな役割を任せられた際に責任の重さを感じ、日々の業務に邁進する大切さを、ベーシックでは学ぶことができました。
ただ、マネージャー職や部長職を担当する中で、無茶振りでメンバーをアサインするのではなく、キチンと期待役割に沿った業務の難易度を調整する難しさも、日々痛感する限りです。
「言って聞かせて、させてみせ、ほめてやらねば、人は動かじ」と口で言うは易しで、適切なタイミングで「期待役割の掛け方」や「適切なフィードバック」を与えてくださった過去の上長陣のスキルの高さには、改めて感服する限りです。
【エピソード③】初めてマネージャー職に挑んだ際に「仮説検証」と「論点整理」を学んだ話
そんな折に、担当するサービスの利用社数も増え続けると同時に、私自身が担当するサービスの規模も、次第に大きくなってきました。
そして、私自身もマネジメント職を担当するようになり、メンバーに適切な業務を割り振る、進捗を確認する、適切なタイミングでメンバーへフィードバックを行う、という経験を積み始めました。
しかし、ある時から「甲斐の言っていることはサッパリ意味がわからない」「目の前に都度現れる課題に飛びついていて対応優先度が曖昧ではないか?」「メンバーにタスクを投げっぱなしにしている」といった辛辣なフィードバックを受ける日々で、日々の業務が終わらないどころか、残業も増えるばかりで、業務が滞ってしまう状態が続いてしました。
流石にと思った経営陣から、当時の自分に対して、他社でのCXO経験がある上司をアサインしてくださり、日々の業務推進方法をDailyでフィードバックいただく機会を設けていただきました。
また、こちらのタイミングで、今は亡き宮坂祐さんを特別講師としてお招きし、スポットでクリティカルシンキングの講義を行なっていただく機会にも恵まれました。
業務を推進する上で、如何に論点を整理することが大事か。「問い」の書きっぷりにこだわるのみならず、構造化された形で情報を整理し、適切なプロセスで仮説検証と振り返りに取り組む必要性を学びました。
また、当時の学びを体系化して理解する必要があると思い、有名な図書ではありますが、内田和成先生の『仮説思考』と『論点思考』を何度も読み直したことで、私の過去における業務推進方法が、如何に生産性が低いものであったのか、に気付かされました。
先日、FASTGROW様でも本の紹介をする機会があったため、詳細は以下をご覧ください。
【エピソード④】「PLG SaaS」という概念に出会えた話
日本より前に海外では旋風を巻き起こしていた「PLG SaaS」という概念を知ったことも、私にとっては大きな変化を及ぼしました。
コロナ禍にて、日本でも盛んに言われ始めるようになった「PLG SaaS」の文脈に、運営しているサービスが当てはまることを知りました。
また、そうした考え方が自然と体系化され始め、上場企業が発表するIR資料においても、触れられる機会が自然と増えていた時期でもありました。
また、私自身もその渦中において、本でも触れられている「ボウリングレーン・フレームワーク」の解説noteを公開する機会もありました。
執筆後、スタートアップから上場企業までの幅広いBizDevやプロダクト・マーケティング・マネージャー(PMM)の担当者からお声がけやご相談をいただく機会も増え、業界としても非常にホットなテーマに触れていたんだなと、改めて感じさせるような出来事でした。
当時のnoteでは、Googleドキュメントでの運営方法を解説したのですが、現在では全社でNotionにおけるドキュメント管理・プロジェクト管理がされているため、このあたりの話も追って記事を書きたいなと思っています。
まとめ:ベーシックにおける「新卒採用」について
あまり自分自身のキャリアについて振り返る機会が少なかったこともあり、今回は過去のエピソードと共に、「大きな学びを得た瞬間」や「ターニングポイント」をシェアするnoteとさせていただきました。
私自身、ベーシックという会社に入社して今日までの人生を歩むに至り、新卒社員だからと言って使い捨てのような存在ではなく、一人一人のキャリアに向き合ってくださり、適切なタイミングで「機会成長」を促してくれた上長の方々には、本当に感謝しきれません。
新卒で入社した同期とは、今でも定期的に連絡を取り合い、互いの結婚式に参加し合うような関係性が続いています。
これまでお世話になった上司の方々、これまで一緒に働いてきたメンバーとも、働く場が変わったとしても、時には飲みに行ったり、特にはそれぞれのキャリアの進捗報告をし合う機会があります。
また、ちょうどこちらのnoteを出す直前頃から、ベーシックの新卒採用のページも公開されました。
現在学生の方で、ベーシックで働くことに興味がある人は、是非にご検討いただけますと幸いです。
また、今回のnoteは学生の方の目にも届く機会が多いかなと思いますので、過去に「学生向け」に書いたnoteも掲載しておきます。
マネージャーや部長を経験した今でも、「仕事への取り組み方」は以下のnoteから変わっておらず、ベーシックの企業風土を知っていただく上でも、ご覧いただけますと幸いです。
長い文章となってしまいましたが、最後までお読みくださり、ありがとうございました!