熱量が人を、組織を、事業を動かすと信じて
こんにちは。株式会社ベーシックの秋(@jaesoon_aki)です。
ベーシックアドベントカレンダー2024の22日目を担当いたします。
現在の役割としてはSLG事業部にて、セールス部・ディレクション部(主にサイト制作やコンテンツ制作などのクリエイティブ管理、各種ソリューション管理を行う組織)2部門の部長を務めています。
今年中盤までは、2019年にハイタッチ組織の立ち上げとしてジョインしたカスタマーサクセス(以下CS)部の部長を務めておりましたが、6月より上記2部門に役割を変更し職務を全うしております。
そしてSLG事業の主力商材であるferretは、BtoBマーケティングツール『ferret One』の提供を中心に行ってきていましたが、直近ではマーケティング実行支援(≒コンサルティング)の領域にも更に力を入れていて、多くのお客様が有償のコンサルティングや伴走支援をご契約してくださっています。詳しい内容は下記ページをご覧ください。
私は過去、セールス部からCS部への異動を経験しています。その異動は、自分が今できる事業貢献を最大限考えた上で、非常に『強い覚悟』を持ったものでした。CS部に異動した背景や初年度の取り組みについてはこちらのnoteをご覧いただけますと幸いです。
今回僕からは、セールス部からCS部へ『強い覚悟』を持って異動した僕が、改めてセールス部へ戻ることを決意した背景などをお話しながら、僕が仕事をしていくうえで組織に求めているものなどを僭越ながらお話できればと思っております。
CS部時代を振り返って
その前に、良い機会だったのでCS部での数年間を振り返らせてください。
上記のnote内でも書いていますが、CS部にはハイタッチ組織の立ち上げでジョインしています。当時は今では考えられないくらい解約率が高いサービスだったため主に解約率の改善が主ミッションでしたが、個人的には『攻めのCS』をキーワードにしてたこともあり『売上獲得による事業貢献ができる組織』にしたいと考えていました。
ただ当時は、他社を見てもCS組織で売上を作るというような風潮は少なく(※もちろんゼロではなかったです)、『CSのメイン役務は解約防止。アップセル/クロスセルについてもトスアップまで、売上獲得/クロージングはセールス』というように感じていました。
当時の弊社CSも売上が作れるような組織ではなく、『売上獲得による事業貢献ができる組織』になるためには数ヵ年で構築していく必要があるなと考えていました。
CSにジョインし組織解像度が上がってきた段階で、今後のCS組織の成長の階段としてざっくり考えていたのは、
1年目(2019~2020/6):とにかく解約率改善
2年目(2020/7~2021/6):とにかく顧客成果
3年目(2021/7~2022/6):アップセル活動の小さな成功体験
4年目(2022/7~):売上目標設定
というような形で、3年間かけて『CS部のプロフィットセンター化』を構想していました。ここについても細かく補足したい内容はありますが、今回は割愛します。
3年目までもCS部として売上目標を期待されたタイミングもありましたが、メンバーに売上目標は持たせず、秋個人でその目標は抱えました。初めてメンバーミッションとして売上目標を持たせたのは2022年下期からです。
それまでもメンバーとコミュニケーションを取りながら最適なタイミングは常に考えていましたが、CS部内でも「アップセル(提案活動)は未経験なので出来ない」であったり、「顧客からお金をもらうということが申し訳なくてできない」という声が大きかったので、なかなか難しいなとは思っていました。
ただ弊社CS部の強みは、『顧客よりも顧客のサクセスを考え寄り添うことができる』というメンバーが揃っていたことだったので、『顧客よりも顧客のサクセスを考え提案し続けることができる』ようになることは必然ではありました。
あとは小さな成功体験を積み重ねるだけで、気がつけばアップセル活動に一番反対していたメンバーが一番売上を作れるようになり自然と組織は変わっていきました。
そこからCS部はアップセル/クロスセルを積み重ね、『売上獲得による事業貢献ができる組織』に成長しています。具体的な数字はあげられませんが、大きく成長を遂げた22年のアップセル実績から23年は更に3倍以上の成果をあげることが出来るようになりました。
CSの活動においてアップセル活動が全てではありませんし、守りが安定しているからこそ『攻めのCS』が出来ていると思っています。責任が大きいCS部を引き継いでくれた藤田(@focs1115)を中心として、本当に他社にはない力強いCS組織を実現してくれています。とても誇らしい組織です。
直近ではカスタマーマーケティングチームの取り組み(詳細は上記note内で)推進が目覚ましく、その中の一つとしてユーザーコミュニティ立ち上げも行っています。11月末には100社以上を集めてのユーザー忘年会を実施したりと事業部内での影響力も更に高めてくれていますので、今後のCS部の成果・取り組みにも大きな期待をしていただければと思います。
CS部→セールス部へ
長くなってしまいましたが、本題へ行きたいと思います。
僕自身、CSでまだまだやりたいこともありましたし、一度離れたセールスにまた戻ることは考えていませんでした。
ただ事業全体を考えたときに、『今ここでセールス部を建て直さないと手遅れになってしまう』と思い、今年5月のとある社内の懇親会の場で弊社代表の秋山に『セールス部やります』と伝えたのを今でも覚えています。
『立て直す』という表現をするとセールス部が悪かったというような印象を与えますが、決してそうではありません。セールス部に異動後改めてメンバー全員と1on1で話しましたが、それぞれ自分のミッションに愚直に向き合っているなと感じましたし、商談を見てもセールス力も一定高いものを持っているなと思っています。
ではなぜ『立て直す』と考えていたかというと、
『数字・達成への執着』はどこのセールス組織でも絶対求められる中で
僕はそれを支える下記のような部分に不足を絶対的に感じていたからです。
・なぜその数字に執着すべきなのか
・なぜ我々は達成し続けるべきなのか
・それはどの数字/指標を追いかけることで実現できるのか
・ベーシックのセールスは何を期待されているのか
・ベーシックのセールスはどこへ向かうべきなのか etc・・
ガムシャラに頑張っているものの、それが評価されないことほど悲しいことはありません。評価されていないわけではありませんが、事業が求めていることとは少しズレて走っていたということも事実あったかと思います。それによる誤解や心のズレも生まれていたかもしれません。
ここについては改めて事業部からの想いを、僕の想いを乗せて僕の言葉で伝え続けるということを継続して行い、すり合わせていくしか無いかなと思い月次のキックオフなどでそれを行っています。
またもう一つ問題だと感じていたのは、セールス部を知れば知るほど、『それぞれの組織(部)がそれぞれの考えで動いている状態』になっているんだなということでした。それによって、事業部として1つのメッセージを伝えたとしてもなかなか浸透しない、というような状態でもありました。
そうなってしまった背景の一つとして、弊社はコロナ禍よりリモートワークを継続していることもあり、シンプルにリアルなコミュニケーションが不足していたとも思います。
ここにおけるコミュニケーション不足とは、チーム内よりもチーム外とのほうがより顕著でした。またコミュニケーション不足を問題と感じられないことも問題だなと感じていました。
私が大事にしていること
少し脱線しますが、僕はリアルなコミュニケーションを非常に大事にしています。一番は熱量や感情の実感です。もちろんオンライン上でも伝えられますが、テキストだけでは伝えられない熱量や想いが確実にあると思っています。
受注したら直接ハイタッチしたいですし、褒められるならリアルの場で面と向かって褒められたい。そして僕はメンバーに対してそうしてあげたい・そうありたいと思っています。
またリアルな場から生まれるアイディアやイノベーションもあると思っています。今のメンバーにもリアルの良さ、直接ぶつかり合うことの良さをもっと伝えていけたらなと思っています。
組織全体で感じていた課題
僕がセールスに来たことでまずやらねばと思っていたことの一つに、部署連携の改善がありました。先程もお伝えした通り、『それぞれの組織(部)がそれぞれの考えで動いている状態』になっていることは薄々感じていましたし、根深い問題でもあるなと。
僕自身CSでは立ち上げからやっていたこともあり、強いビジョンを掲げながら組織・メンバーと向き合ってきました。またセールスはセールスで、大事にしている文化や考え方もありました。
かねてからお互いの理想や考え、やり方がぶつかり合う場面がSlack上でよく見かけていました。そんな中僕だけが感じていたのかもしれませんが、結論どちらかが諦めて終わっているように見えていました。
ぶつかり合うこと自体は素晴らしいことだと思っています、それぞれが理想を持って課題やミッションに向き合っているからこその事象だと思うので。ただそれをどう解決するかがとても大事で、その課題を解決する上でも僕はその熱量をどう伝えるかこそが最も大事だなと思っています。
課題に対してのそれぞれの熱量は違います。複数人がとある課題に関係していた時、誰か一人、もしくはどちらかの勢力が強い課題感を持っているケースが多いです。まずはその課題に対して、『同じ熱量で向き合える状態を作ることが解決の第一歩』だと思っています。
同じ熱量で課題意識を持てていないのに、「あの人はわかってくれない・理解してくれない」「やるって言ったのに全然動いてくれない」と言っても、僕はそれはそうだろうなと考えています。
とはいっても立場が違ったり、日々のコミュニケーションが無かったりする場合は、それ自体を行うことも難しいだろうなとも理解しています。
なので僕が出来ることは、『その場を作ること・その熱量を代弁すること』で部署間のコミュニケーションを活性化させることだと思い意識的に取り組んだつもりです。
まだまだ課題感も強いですし、僕自身出来ないことも多々ありますので引き続き取り組んでいきたいところではあります。
最後に伝えたいこと
その他、営業企画のメンバーと連携してセールスが追うべき数値を日々見えるようにして共有・認識統一をする、営業力改善の取り組みを実施するなどいわゆる営業組織改善ということも取り組みましたが、そのあたりは他メンバーが伝えてくれるでしょう(笑)。
僕がセールスに来てセールスメンバー伝えたかったことは、仕事をしていくうえで大事にすべきことを知ってほしいということが一番でした。CSのメンバーにも以前から伝えていることですが、専門的なスキルよりも人間性のスキルをまず大事にしてほしいということです。
またいちばん大事である『スタンス』の中でも、ベーシックのセールス組織としては下記を大事にしてほしいと改めて伝えました。
最後の『自責思考を持ちつつ、自責すぎない』はまた難しいと思います。特にベーシックは優しいメンバーが多いので、どうしても「自分が悪いんじゃないか」「迷惑をかけすぎているのではないか」と考えてしまうメンバーが多いです。
僕もその気持ちはよく分かるのですが、いまベーシックは一人ひとりが更に成長し自立して課題解決していけるようになることを求められていると思っています。課題に向き合い、逃げずに戦い続けられるようなメンバーがどんどん出てきてほしいなと思っています。
来期はまた組織も大きくアップデートされます。そして今年よりも更に高い壁に向き合い、乗り越えていく必要があります。その時、一人で乗り越えられるようなことは決して無いと思いますし、自組織のみでも難しいでしょう。
事業部全体、会社全体がより一致団結できるよう、自分自身もう一段気を引き締めて来年やっていければと思っております。
過去CSに行くと決断したこと、今回セールスに行くと決断したこと。決断後に「僕がなんの貢献ができるのだろう」と悩んだこともありましたが、今では本当に良かったと思っています。またこれまでの決断は、自分が携わる事業、会社が良くなるために日々『自分が一番貢献出来ることはなにか』を考えていたという点では共通していました。
来年僕は、また新しい役割を担い、挑戦の1年になると思います。
多くのメンバーに支えられて今を迎えられていることに改めて感謝をし、今のメンバーと共に会社を更なる成長に導いていきたいと思います。
明日のアドベントカレンダー担当は、私が入社当時上司だった持田さん(@The_mochida)です!持田さんには多くのことを教えていただき、そして導いていただきました。ちなみに僕がCSに異動することを推薦、許容してくださったのも持田さんです。いつもありがとうございます。
お楽しみに!